10月 252012
 

京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻には「システム科学通論」という大学院1回生向けの科目がある.システム科学通論では,M1学生がシステム科学に関連する最新の話題を紹介することになっている.各回3名ずつの発表で,持ち時間は各人30分(発表18分+質疑応答12分)だ.

今年2月にシステム科学専攻に異動してきた私は,昨日初めて本講義に参加し,司会を務めたので,その感想などを書いておこう.

まず,講義の冒頭で,システム科学通論の受講生に対して以下のようなことを述べた.

そもそもプレゼンというのは,何らかの目的を持って行うものである.システム科学通論は,発表練習の場と位置づけられているので,プレゼンテーションと質疑応答の練習が目的であっても構わない.しかし,もしそうであるなら,理想的なプレゼンとはどのようなものか,理想的な質疑応答とはどのようなものか,について自分なりの明確なイメージを持っていなければならない.自分のプレゼンはどこに問題があるのか.そういうことを意識してプレゼンをしないと効果はあがらない.質問しないなら質問の仕方はうまくならない.

システム科学通論ではシステム科学に関連する最新の話題を紹介することになっているので,自分が興味を持つ研究分野や研究成果について紹介して,発表を聞いてくれる人達にも興味を持ってもらうというのが目的でもいい.もしそうであるなら,教員も学生も,システム科学専攻には様々な分野の人達が結集してきているので,バックグラウンドが全く異なる聴衆を前に,何をどのように話せば興味を持って理解してもらえるかを真剣に考えておく必要がある.

このような考慮や努力をして,自分のプレゼンで何がしたいのかを明確にして,システム科学通論での発表に臨んでもらいたい.

私の想いがどこまで伝わったかはわからないが,非常に大切だと思うことを伝えた.

目的を明確にすること.聴衆を知ること.これらはプレゼンの基本中の基本だ.講義という場で,多くの教員と学生に対してプレゼンテーションする貴重な機会を与えられているわけだから,それを活かそうとしてもらいたい.

以下,3人の発表を聞いての感想を述べておく.

修士課程に進学してから新たに勉強を始めた分野であれば,まだ半年やそこらの経験しかないのだから,理解できていないことが多いのは仕方がない.しかし,自分がスライドに書いたことすら説明できないのは問題だ.それは恥ずべきことだろう.

プレゼンの要件は色々あるが,とりあえず,部屋中に聞こえるだけの大きな声で話すことは最低限意識してもらいたい.声が聞こえないでは全く話にならない.スライド中の文字も同様で,書いてあることが読めないでは全く話にならない.これらは基本中の基本だが,できていない人がいるのも確かだ.学会発表でも見掛けることがあるだろう.もし見掛けたら,反面教師として,自分のプレゼンを見直そう.

発表と質疑応答のレベルには大きな差があった.発表と質疑応答を上手にできると,それだけ高く評価してもらうことができる.逆に,発表と質疑応答が下手であれば研究成果も伝わらない.このことは肝に銘じておこう.

最後に,「学会発表や卒業研究発表の前に読みたいプレゼンテーション・アドバイス」を紹介しておく.これは読んでおいてもらいたい.

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