11月 292012
 

飯吉先生の公開授業に参加した.当該講義は全学共通科目「オープンエデュケーションの世界」で,英語で実施されている.受講生の1/3程度が留学生だったように思う.本日の講義では,30分程度のイントロダクションの後,courseraやedXをレビューした結果を学生が英語で発表し,先生が全体をまとめ,その後さらにグループ討議が行われた.グループ討議のテーマは,「MOOCが普及すると,学生にとって何が重要になり,何が重要でなくなるか」というもの.MOOCとは”Massive Open Online Course”の略で,ウェブ上で無料で参加できる大規模講義を指す.主にアメリカの大学で運営されており,ビデオ講義を受けるだけでなく,試験を受けることもできる.

講義の冒頭で紹介されたのは,”What is 21st century education?”というビデオ.わずか2分間ではあるが,21世紀に起こる変化がどれほどダイナミックなものかを示し,それを踏まえて,教育はいかにあるべきか,教師には何が求められるか,を示している.

まとめでは,オープンエデュケーションに取り組んでいる大学のコメントが紹介された.MITの学長とプリンストンの副学長のものだったと記憶しているが,いずれも,オープンエデュケーションで提供している講義は,キャンパスでの講義とは全く別物だと指摘している.つまり,MITの講義をウェブで見たからと言って,MITで講義を受けたようにはいかないし,プリンストンの講義をウェブで見たからと言って,プリンストンで講義を受けたようにはいかないということだ.何が違うのか.それはインタラクションだという.そういう意味では,教員と学生の間で,学生と学生の間で,刺激を与え合うことを促せないようであれば,生の講義には大した意味はないということになるだろう.

オープンエデュケーションの講義を聴きながら,以下のようなことを考えた.

ウェブ上で無料で世界トップクラスの講義を受けられるのは大変素晴らしいことだ.しかし,「誰しも自分以上のものの見方はできない」とショーペンハウエルが言い「しょせん,人間は自分が学べることしか学ばない」とゲーテがメフィストフェレスに言わせたことを思うと,学習者が興味を持つことだけを学習するのでは不十分であり,学習者には見えていない「高み」を見せてくれる何かが必要だろう.そこに,教員の存在意義があるように思う.

さらに,ある分野の勉強をしようと思うのであれば,その学問分野の俯瞰図が必要になる.何か高度な知識を得ようとする場合に,そのために必要な知識は何かということを知っておく必要がある.勉強してみたい,興味のあるテーマがあるときに,そのテーマ名で検索して,講義資料に行き着いたからといって,それで勉強できるわけではない.しかし,この点については,技術で何とでもできるだろう.

オープンエデュケーション

  • coursera
    We are a social entrepreneurship company that partners with the top universities in the world to offer courses online for anyone to take, for free. We envision a future where the top universities are educating not only thousands of students, but millions. Our technology enables the best professors to teach tens or hundreds of thousands of students. Through this, we hope to give everyone access to the world-class education that has so far been available only to a select few. We want to empower people with education that will improve their lives, the lives of their families, and the communities they live in.
  • edX
    EdX is a not-for-profit enterprise of its founding partners Harvard University and the Massachusetts Institute of Technology that features learning designed specifically for interactive study via the web. Based on a long history of collaboration and their shared educational missions, the founders are creating a new online-learning experience with online courses that reflect their disciplinary breadth. Along with offering online courses, the institutions will use edX to research how students learn and how technology can transform learning–both on-campus and worldwide. Anant Agarwal, former Director of MIT’s Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory, serves as the first president of edX. EdX’s goals combine the desire to reach out to students of all ages, means, and nations, and to deliver these teachings from a faculty who reflect the diversity of its audience. EdX is based in Cambridge, Massachusetts and is governed by MIT and Harvard.
  • Khan Academy
    The Khan Academy is an organization on a mission. We’re a not-for-profit with the goal of changing education for the better by providing a free world-class education for anyone anywhere. All of the site’s resources are available to anyone. It doesn’t matter if you are a student, teacher, home-schooler, principal, adult returning to the classroom after 20 years, or a friendly alien just trying to get a leg up in earthly biology. The Khan Academy’s materials and resources are available to you completely free of charge.
  • iTunes U
    Now it’s easier than ever to unleash the full potential of iPad in your classroom by creating your own courses for iPad. You get to share your ideas in a powerful new way, and your students get a rich, immersive learning experience using the iTunes U app for iPad. iTunes U is available no matter where you teach — at any college, university, or K-12 school.

日本での取り組みとして,JOCW(日本オープンコースウェア・コンソーシアム)を紹介する.リンク先に飛んでもらえれば一目瞭然だが,海外サイトと比べて,猛烈に見劣りする...

最後に,これは明らかだと思うのだが,英語ができないというのは致命的だ.

11月 292012
 

Daphne BavelierによるTED Talk “Your brain on video games” の紹介.

ビデオゲーム(テレビゲーム)を子供にさせてはいけないと考えている人は多いような気がするが,もしそれが「ゲーム脳」になるからというような理由からなら,考え直した方がいい.なぜなら,日本大学教授の森昭雄氏が提唱した「ゲーム脳」には全く科学的根拠がなく,科学者からは全否定されているからだ.

実は,昔,Nintendo DSの「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」を監修したことで有名な川島隆太教授の講演を聞く機会があり,そのときに,「ゲーム脳の騒ぎは一体何だったのか」と質問したことがある.「ゲーム脳は全くの嘘」というのが回答だった.

このTED talkで,Daphne Bavelierは,アクションゲームをしている人達は,そうでない人達に比べて,視力や集中力など様々な能力が優れていることを示し,ゲームをすると目が悪くなるとか,頭が悪くなるとか,そういう妄想を一蹴している.さらに,2週間にわたってアクションゲームをした被験者の3次元形状認知力が向上したという実験結果も紹介している.脳科学者も協力して,うまくゲームを造り込めば,ビデオゲームで様々な能力を向上させられる可能性がある.

なお,ご利用は計画的に.

11月 292012
 

話し方入門
デール・カーネギー(Dale Carnegie),創元社,2000

自己啓発関連の素晴らしい書籍として,デール・カーネギーの「人を動かす」を紹介しました.この本は研究室の課題図書にも指定し,学生の必読書としています.同じくデール・カーネギーの名著に「話し方入門」があります.

「話し方入門」には,人前で上手に話すための秘訣が書かれています.もちろん,単なるハウツウではありません.人に伝えたいと切望するものがあること,周到に準備をすること,練習に練習を重ねて自信を持つこと,始め方と終わり方に注意すること,わかりやすく話すこと,そして,美しい言葉を身に付けることなどが挙げられています.人前で話すことの重要性を認識し,上手に話せるようになりたいと願う人にはきっと役立つことでしょう.

以下,その概要をメモしておきます.

第1章 勇気と自信を養う

  1. 強く持続的な願望を持って取り組む.自らを訓練する努力がもらたらす利点を数え上げ,熱意をかきたてる.経済的,社会的,さらに影響力や指導力の強化という点からも,スピーチ能力を向上させることの意味を考える.進歩の速さは願望の深さに比例することを忘れずに.
  2. 準備は怠りなく.話そうとする内容が十分わかっていないと,自信は持てない.
  3. 自信満々に振る舞うこと.勇気が欲しいなら,意志力を総動員して勇敢そうに振る舞うこと.そうすれば,勇気が恐怖心に取って代わるだろう.
  4. 練習を積むこと.これは最も大切なポイントである.恐怖心は自信の欠如が原因であり,自信の欠如は自分の実力を知らないことから来る.そして実力を知らないのは経験不足の結果である.

第2章 自信は周到な準備から

  1. 話し手が本物のメッセージ(話さずにはいられないもの)を持っているとき,そのスピーチは成功したも同然である.
  2. 準備とは,感動もしない文章を書き留めたり,気の利いた文句を丸暗記したりすることではない.本当の準備とは,自分自身の中から何かを堀り出すこと,自分自身の思想を集めて組み立てること,自分自身の信念を大切に育てることだ.
  3. スピーチは自ずから成長すべきものだ.テーマを早めに決め,空き時間にそれについて考えを深めよう.寝ても覚めても温め続けよう.友人とそれについて議論し,それを話題にすることだ.また,テーマについてありとあらゆる質問を自分に問いかけること.そして,頭に浮かんだ考えや実例は何もかもメモし,さらに次の考えを求め続ける.考えやヒント,実例などは,何でもない時にふっと心に浮かぶものだ.
  4. 誰にも頼らず考えを温めた後は,時間が許せば,図書館でテーマについての本を読もう.
  5. 実際に使おうと思うものより,はるかに多くの素材を集めること.余力を蓄えるためには,実際に使用できるよりはるかい多くの知識を仕入れ,情報を十分蓄積することだ.

第3章 有名演説家はどのように準備したか

  1. 1つの話題については,それを取り上げた時にすべてを言い尽くし,また戻ったりすることのないように.
  2. スピーチの構成は例えば以下のようにする.1)事実を述べる,2)それを出発点として議論する,3)行動を呼びかける.1)問題点を挙げる,2)その改善案を示す,3)行動を呼びかける.1)興味をそそる,2)信頼を得る,3)事実を述べる,4)人を行動させる動機に訴える.
  3. テーマについて両面の事実をすべて集め,整理し,検討し,咀嚼すべきである.それらが事実であることを証明し,そこから必然的に導き出される結論を自分の頭で考え出すこと.リンカーンはユークリッドの数理論を研究し,詭弁を見破る目,結論を立証する力を身に付けたのである.
  4. スピーチを録音し,それを聞いてみると良い.
  5. メモはスピーチに対する聞き手の興味を半減させる.阻害すると言っても良い.
  6. スピーチをよく考え組み立てたら,身振りを交え,その気になって,暗唱を繰り返そう.そこに聴衆がいると思って.この練習をすればするほど,いざ本番というときに余裕が出てくる.

第4章 記憶力を増進する

  1. 記憶の自然法則とは,印象,反復,連想,の3つである.

第5章 スピーチの成功に欠かせないもの

  1. 学習には停滞期がある.学習曲線の平坦部といわれるものだ.ねばり強く練習を続けるなら,いつの日か,飛行機のようにそこを飛び立ち,一夜にして長足の進歩を遂げることができる.
  2. スピーチの学習で成功を収めてきた人々には,根気と不屈の決意があった.
  3. スピーチに上達した自分の姿を思い浮かべること.そうすれば,そこに到達するために必要なことに取り組んでいくだろう.

第6章 上手な話し方の秘訣

  1. 傾聴に値する話には,単なる言葉以上の何かがある.それは話と共に伝わってくる味わいといったものだ.大切なのは何を話すかではなく,むしろどう話すかということだ.
  2. 聞き手を無視し,独り言を言っているように見える話し手が大勢いる.聴衆と話し手の間に通い合うものがなければ,意思の疎通が行われているとは言えない.
  3. 良いスピーチは日常会話の音声と率直さを拡大したものだ.普通の個人に話すのと同じように話すのだ.
  4. 誰にもスピーチの能力はある.うまくなるためには練習が必要だ.人の真似をしてはいけない.自然な話し方をすれば,あなたはこの世の誰とも違う独特の話し方をすることになる.自分の個性,自分独自の手法をスピーチに盛り込もう.
  5. 聞き手がすぐにも立ち上がってあなたに言い返してくることを予期しているかのように聴衆に話しかけよう.もしも聴衆が立ち上がって質問するとしたら,あなたのスピーチはきっと見違えるように良くなるだろう.だから,誰かがあなたに質問して,あなたはその質問を復唱していると想像しよう,こうすれば,言葉遣いの堅苦しさは打ち破られ,話し方に暖かみと人間らしさが生まれる.
  6. スピーチに全霊を打ち込もう.心からの誠意はキリスト教界のどんな宗規よりも助けになる.
  7. 次の4つを実践する.1)重要な語を強調する.2)声の調子に抑揚をつける.3)強調したい語はゆっくりと話す.4)重要な語句を言う前と後に間をおく.

第7章 話し手の態度と人柄

  1. ビジネスにおける成功には,高度な知識よりも人柄が大きく関係しているようだ.これはスピーチにも当てはまる.
  2. 疲れた状態で話をしてはいけない.休息して元気を回復し,エネルギーを蓄えておこう.
  3. 話をする前は,食事を控えめに.
  4. エネルギーを鈍化させるようなことは避ける.エネルギーは人を引きつける力だ.人はエネルギッシュな話し手の周りに集まるものだ.
  5. 身なりはきちんと魅力的に.良い服装をしているという意識は自尊心を高め,自信を増す.
  6. 笑顔.ここにいるのが嬉しくてたまらないと言いたげな態度で聴衆の前に出よう.好きになれば好かれる.我々が聴衆に興味を持てば,聴衆も我々に興味を持ってくれるものだ.だから,我々の態度は必ず暖かい反応を誘い出すようなものでなくてはならない.
  7. 聴衆を一カ所にかためる.どんな集団でも,散らばって座っていてはなかなか心を動かさない.
  8. 少人数の人を相手に話す時は,その人達を小さな部屋に詰め込む.自分は壇に上がってはいけない.聴衆と同じ高さに立とう.形式に囚われず,親しみを込め,会話口調で話そう.
  9. 部屋の中の空気を新鮮に保とう.
  10. 壇上を思い切り明るくしよう.自分の表情が聴衆からよく見えるように,明かりがまっすぐ自分の顔に当たるように立とう.
  11. 物の陰に立ってはいけない.テーブルやイスは片側に寄せよう.聴衆の気を散らすものや,壇上によく見掛けるがらくたなどは取り除こう.
  12. 壇上にいる来賓は必ずと言っていいほど,よく身動きするものだ.また,来賓がわずかでも動くと,そのたびに聞き手は必ずそちらに気を取られる.聴衆というものは,物,動物,人間を問わず,動いているものは見ないではいられないのだ.だから,自分から面倒の種をまいて,わざわざ競争相手を作り出すようなことは止めよう.

第8章 スピーチの始め方

  1. スピーチは出だしが難しい.また,非常に重要でもある.なぜなら,初めのうちは聞き手の頭も冴えていて,比較的印象を受けやすいからだ.成り行きに任せるのは危険.前もって周到に準備しておくべきだ.
  2. 前置きは短いに限る.センテンス1つか2つで十分.全く省略しても構わない.できるだけ少ない言葉でテーマの核心に突入するのが良い.
  3. 初心者は初めにユーモラスな話をしようとしてみたり,お詫びの言葉を述べたりしがちだが,どちらも普通は感心しない.ユーモラスな話で成功する人は希である.何か話すとしても,意味もなくダラダラと話すのではなく,本題に関連した話をしよう.
  4. 聴衆の注意を即座に引きつけるには,1)好奇心を起こさせる.2)人間味溢れる話をする.3)具体例を挙げる.4)何か品物を使う.5)何か質問をする.6)何か印象的な言葉を引用する.7)その話題が聴衆の重大な関心事に影響があることを示す.8)ショッキングな事実についての話から始める.
  5. 形式張りすぎる始め方は良くない.堅苦しい話を避け,気楽で,さりげない,自然な印象を与えるようにする.そのためには,いま起こったばかりの出来事や聞いたばかりの話を取り上げると良い.

第9章 スピーチの終わり方

  1. スピーチの終わりは最も工夫を要する部分である.最後に言ったことが一番長く聞き手の記憶に残る可能性があるからだ.
  2. 前もって終わり方を周到に計画しておこう.予行演習をしよう.どのように終わるか,一語一語確かめるつもりで.すっきりと話終わろう.
  3. 終わり方の例.1)話の要点をまとめたり,繰り返したり,手短に概略を述べたりする.2)行動を起こしてくれるよう訴える.3)聴衆を心から誉める.4)笑わせる.5)話の内容に相応しい詩句を引用する.6)聖書から引用する.7)クライマックスへと話を盛り上げていく.
  4. 上手な始め方と終わり方を考え,しっかりとまとめておこう.常に,聴衆がもうそろそろ終わって欲しいと考える前に終わろう.

第10章 わかりやすく話すには

  1. わかりやすく話すことは非常に大切であり,また,非常に難しい場合が多い.
  2. キリストは,聞き手が知らないことを知っている物事にたとえることによって,説教をわかりやすくした.アラスカの大きさを聞き手にわからせたいなら,その面積を数字で示さないこと.その中に米国のこれこれの州がすっぽりと入るというように話す.人口がどのくらいかを示すなら,今自分が講演している町の人口と比較する.
  3. 素人を相手に話すときは,専門用語を避ける.リンカーンを見習って,どんな子供にも理解できるような平易な言葉で話すようにする.
  4. 自分の話したいことが頭の中で真昼の太陽のように明確になっているかどうかを,まず確かめる.
  5. 視覚に訴える.実物や写真を見せたり,できれば図解したりする.具体的に言うこと.
  6. 大事なことは繰り返す.ただし,同じ言葉をそのまま繰り返してはいけない.言い回しに変化を加え,話の内容だけを繰り返して,聞き手にそれと気付かれないようにする.
  7. 抽象的な話は,後から一般例を示してわかりやすくする.さらに具体例も挙げれば一層良い.
  8. 一度に多くのことに触れようとしてはいけない.
  9. 最後に,自分が話したことの要点を短くまとめる.

第11章 聴衆に興味を起こさせる方法

  1. 私たちは平凡な事柄についての非凡な事実に興味を抱く.
  2. 私たちの主な関心事は自分自身だ.
  3. 人に自分自身のことや興味のあることについて話をさせて,熱心に耳を傾けてあげる人は,自分でほとんど何も話をしなくても,一般に話し上手とみなされる.
  4. 美化されたうわさ話,誰かについてのちょっとしたいい話は大抵いつも成功し,人を引きつける.人間味溢れる実例を示すのがよい.
  5. 具体的に,また明確に話す.
  6. 目の前に絵を浮かび上がらせるような語句,つまり眼前にイメージが彷彿とするような言葉をスピーチの前にちりばめること.
  7. 興味は伝染する.伝染病と同じで,もし話し手が具合の悪い状態にあると,その具合の悪さはたちまち聴衆にうつってしまう.

第12章 言葉使いを改善する

  1. 紳士淑女の教養として,これだけは是非とも身に付けていただきたいと常々考えている知的財産とでも言うべきものが1つあります.それは,母国語を正確に美しく使いこなす能力です.
  2. どんな人と付き合うかによって,あなたの言葉遣いは大きく違ってくる.だから,優れた文学作品に親しむようにしよう.新聞を読むことを完全にやめなくても良いから,今の半分の時間で読んでしまおう.こうして節約した時間を不朽の名作を読むことに当てよう.
  3. 本を読むときは辞書を傍らに置いておこう.知らない言葉が出てきたら,辞書に当たってみること.用法を調べるようにすると,その言葉はしっかり記憶される.
  4. たなざらしの使い古した言葉を使わない.意味を正確・的確に伝えよう.ロジェのTreasury of Wordsを座右に置いて,せいぜい活用しよう.
  5. 陳腐なたとえを使わない.新鮮な味を出すように努力しよう.あなた独自のたとえを創り出すのだ.勇気を持って自分の個性を打ち出そう.

目次

  • 第1章 勇気と自信を養う
  • 第2章 自信は周到な準備から
  • 第3章 有名演説家はどのように準備したか
  • 第4章 記憶力を増進する
  • 第5章 スピーチの成功に欠かせないもの
  • 第6章 上手な話し方の秘訣
  • 第7章 話し手の態度と人柄
  • 第8章 スピーチの始め方
  • 第9章 スピーチの終わり方
  • 第10章 わかりやすく話すには
  • 第11章 聴衆に興味を起こさせる方法
  • 第12章 言葉づかいを改善する
11月 272012
 

社会心理学者のAmy CuddyによるTED Talkだが,メッセージはこうだ.

2分間だけでいい.胸を張って,手を広げて,自信に満ちたポーズをしてみよう.そうしたら,実際にそんな自分になれる.人生すら変わる.

実際,彼女の実験によれば,ちょっとの時間,力強いポーズを維持した被験者と弱々しいポーズを維持した被験者にギャンブルをさせると,力強い方が大胆になるそうだ.自信のある堂々とした人物になりたければ,実際に自信があるかどうかはともかく,まず,自信に満ちた姿勢をしろということだ.

このAmy CuddyによるTED Talk “Your body language shapes who you are” の概要は以下の通り.

ボディーランゲージは他人が自分をどのように見るかに影響を与えるだけでなく,我々が自分自身をどのように見るかすら変化させてしまう.社会心理学者のAmy Cuddyは,「力強いポーズ」(たとえ自信がなくても自信に満ちた態度で立つこと)が,脳内のテストステロンとコルチゾールのレベルに影響を与え,さらには成功の機会にも影響を与える可能性があることを示している.

とても興味深い内容だった.

11月 272012
 

人を動かす
デール・カーネギー(Dale Carnegie),創元社,1999

自己啓発に関する書籍で,私が心から素晴らしいと思い,自信を持ってお勧めするのが,このデール・カーネギーの「人を動かす」です.良い人生を送るために,どのように人に接するべきか.人を味方にし,友を増やし,心豊かな人生を送るために,どのように人に接するべきか.この本には,豊富な具体例を添えて,人心掌握の原則が書かれています.学生にも読むように強く勧めている本で,実際,読んだ学生からは圧倒的な支持を得ています.人生を変える一冊になるかもしれません.

例えば,人を動かす三原則には,以下のようなことが書かれています.

人を動かす三原則(抜粋)

  1. 批判も非難もしない.苦情も言わない.
    人を叱りつけるのは愚の骨頂である.他人のあら探しは何の役にも立たない.相手はすぐに防御態勢をしいて,自分を正当化しようとする.さらに,自尊心を傷つけられた相手は反抗心を持つことになり,誠に危険である.他人に恨まれたいのであれば,人を辛辣に批評さえしてさえいればよい.その批評が当たっているほど効果はてきめんだ.人の悪口を言わず,長所をほめる.これが成功の秘訣である.
  2. 率直で誠実な評価を与える.
    人を動かす秘訣は,みずから動きたくなる気持ちを起こさせることである.人間の持つ最も根強い衝動は,重要人物たらんとする欲求である.この欲求を正しく満たしてやることができれば,その人の心を手中に収めることができる.深い思いやりから出る感謝の言葉を振りまきながら日々を過ごす.これが,友を作り,人を動かす秘訣である.
    「私には人の熱意を呼び起こす能力がある.これが,私にとっては何物にも代え難い宝だと思う.他人の長所を伸ばすには,ほめることと,励ますことが何よりの方法だ.上役から叱られることほど向上心を害するものはない.私は決して人を非難しない.人を働かせるには奨励が必要だと信じている.だから,人をほめることは大好きだが,けなすことは大嫌いだ.気に入ったことがあれば,心から賛成し,惜しみなく賛辞を与える.」(チャールズ・シュワッブ)
    「どんな人間でも,何かの点で私よりも優れている.私の学ぶべきものを持っているという点で.」(エマーソン)
  3. 強い欲求を起こさせる.
    人を説得して何かをやらせようと思えば,口を開く前に,まず自分に尋ねてみることだ.「どうすれば,そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか」.これをやれば,自分勝手な無駄口を相手に聞かせずに済むはずだ.常に相手の立場に身を置き,相手の立場から物事を考えることを学べば,成功への第一歩が既に踏み出されたことになる.
    「まず相手の心の中に強い欲求を起こさせること.これをやれる人は,万人の支持を得ることに成功し,やれない人は,一人の支持者を得ることにも失敗する.」

本書「人を動かす」の概要を掴んでもらうために,以下,目次を示しておきます.

人に好かれる六原則

  1. 誠実な関心を寄せる.
  2. 笑顔で接する.
  3. 名前は,当人にとって,最も快い,最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない.
  4. 聞き手に回る.
  5. 相手の関心を見抜いて話題にする.
  6. 重要感を与える.誠意を込めて.

人を説得する十二原則

  1. 議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける.
  2. 相手の意見に敬意を払い,誤りを指摘しない.
  3. 自分の誤りを直ちに快く認める.
  4. おだやかに話す.
  5. 相手が即座に「イエス」と答える問題を選ぶ.
  6. 相手にしゃべらせる.
  7. 相手に思い付かせる.
  8. 人の身になる.
  9. 相手の考えや希望に対して同情を持つ.
  10. 人の美しい心情に呼びかける.
  11. 演出を考える.
  12. 対抗意識を刺激する.

人を変える九原則

  1. まずほめる.
  2. 遠回しに注意を与える.
  3. まず自分の誤りを話した後,相手に注意する.
  4. 命令をせず,意見を求める.
  5. 顔を立てる.
  6. わずかなことでも惜しみなく心からほめる.
  7. 期待をかける.
  8. 激励して,能力に自信を持たせる.
  9. 喜んで協力させる.

繰り返しますが,本当にお勧めです.昔も今も研究室の課題図書に指定しています.読んでいない人は,とにかく読んでみましょう.

目次

  • 人を動かす三原則
  • 人に好かれる六原則
  • 人を説得する十二原則
  • 人を変える九原則
  • 幸福な家庭を作る七原則
11月 262012
 

空の上で本当にあった心温まる物語
三枝理枝子,あさ出版,2010

ANA元CAで,現在はANAラーニング株式会社の研修事業部講師として一般企業や学校等で接遇力やコミュニケーション能力向上のための人材開発に関する研修を行っているという三枝理枝子さんの本.CA時代の自分自身の体験や,搭乗客から送られてきた手紙に基づいて,「空の上で本当にあった心温まる物語」33篇が紹介されている.それぞれの物語の後には,短い著者のコメントが記されており,著者の接客姿勢の素晴らしさ,ANAのサービスの凄さを感じることができる.

ちなみに,私は国内も海外も基本はANA利用です.

本書で紹介されている物語は実に様々で,悲しくなるものも嬉しくなるものもある.いくつかには泣いてしまう.何も難しく考える必要はなく,ショートストーリーを気楽に読んで,自分なりに何かを感じればそれでいいと思う.

今日は,子供たちを寝かせるときに,この本の中から3つほどの物語を読んで聞かせた.小学校低学年には難しい言葉も多いので,長女は「○○って何?」と尋ねまくっていたが.

「おわりに」には,こんなことが書かれている.

CAの本来の使命は,お客様を笑顔にすることではないか,と私は考えております.
「やっぱりANAに乗ってよかった」
「またこの航空会社を利用したい」
「飛行機に乗るって楽しいな」
そう思っていただけるよう,人の心を動かすことが,私たちのミッションだと.
しかし,機内での出会いで,お客様の表情や言葉掛けで,笑顔にしてもらい,心動かされていたのは私自身でした.

人の心を動かす.
そんなに簡単なことではありません.
人の心を動かす最たるものは何でしょうか.
自然,人,ものとの感動的な出会いではないか,私はそう考えています.
感動することで人は変わるのだと.

感動に溢れる毎日を送っていきたいものだ.

目次

  • Story1. 羽田→福岡便  カーテン越しのバースデー
  • Story2. 松山→羽田便  おばあちゃんの子守唄
  • Story3. 那覇→羽田便  日焼けしたあなたに
  • Story4. 成田→香港便  二つの帽子
  • Story5. 羽田→長崎便  もう一つのプレゼント
  • Story6. 羽田→秋田便  小さなジェントルマン
  • Story7. 仙台→羽田便  ぬるい日本茶
  • Story8. バンコク→成田便 小さな親切
  • Story9. シドニー→成田便  泣かないで
  • Story10. 羽田→小松便  一杯の水
  • 他,全33話
11月 252012
 

本日,11月25日(日),今年小学校一年生になった長女の七五三参りのため,わら天神へ出掛けた.京都の紅葉の見頃もこの三連休で終わりかなと思うが,昨日までとはうってかわり,本日は今季一番の見事な秋晴れに恵まれた.まさに雲一つない,透明感のある快晴.

秋晴のわら天神宮
秋晴のわら天神宮

わら天神宮は安産のご利益で非常に有名で,いつも妊婦さんや乳児を連れた家族がお参りに訪れている.我が家は,ここが氏神になるので,安産のみならず,初詣も含めて,ここにお参りしている.

ちなみに,誰もが「わら天神」と呼ぶこの神社の正式名称は「敷地神社」だ.わら天神という通称が有名なのは,ここの安産御守の本体が稲藁で,そのわらに節があれば男児,節がなければ女児が生まれるという占いによる.わら天神の祭神である木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)は,古事記や日本書記にも登場する日本神話中の女神である.天孫降臨のエピソードに登場し,木花開耶姫命は神武天皇の曾祖母にあたる.

水色の着物で七五三参りした長女
水色の着物で七五三参りした長女

朝から北山の写真館に行って,長女の着付けをしてもらい,写真も撮影してもらい,それから,わら天神に向かった.現地で祖父母4名と合流し,七才参りをした.七才参りというのは,「帯解(おびとき)」といって,女の子が7歳で帯を締める着物にかえるという習わしから始まったとされる.

七五三参りのあと,ジジババと一緒に「糸源」で昼食をいただいた.2階の個室を用意していただき,それぞれが好きなものを注文した.長男と長女は揃って,お子様ずし(オモチャ付)1500円を頼んでいた.

無事に七才参りを終え,長男長女の2人がここまで健やかに成長してくれたこと,祖父母4人も揃って皆で成長を祝うことができたことに,心より感謝した.ごく普通の行事ではあるが,普通のことを普通に行えることが実に有り難いものだと思う.

夕方,写真館に借りていた髪飾りを返しに行くついでに,北山界隈をサイクリングした.途中,「愛染倉」の前を通ったが,紅葉が物凄く綺麗だった.庭ではちょうど結婚披露パーティをしている様子だったが,秋晴に恵まれ,美しい紅葉の中での披露宴は格別だろう.すぐそばの大田神社の紅葉も見事だった.

11月 232012
 

主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!
江部康二,ダイヤモンド社,2011

「健康のために米飯もパンも食べるな!」というのだから衝撃的だ.amazonで本書の内容紹介を見ると,最初にこう書いてある.

テレビ、雑誌、新聞などで話題沸騰中!
この1冊で糖質制限食のすべてがわかる決定版!!
年末年始も太らず、体調不良になりたくない人必読

テレビも雑誌も,そして新聞もほとんど見ない私は,「糖質制限食」が話題になっていることすら知らなかった.しかし,ダイエットのみならず,糖尿病に非常に有効で,その他の病気にも効果があるとのことで,「ご飯中心の粗食が日本人の生きる道!」と思っていた私としても気になって,本書「主食をやめると健康になる」を読んでみることにした.

まず,「糖質制限食」が何であるかを示す必要があるだろう.糖質制限食には3つの実践方法があるとされている.

糖質制限食とは?

食べ物が消化・吸収されたあと、血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げません。そのことに注目して考案されたのが『糖質制限食』。はじめたその日から確実に血糖値が改善、薬に頼らずに症状をコントロールできる唯一の糖尿病食です。さらに『糖質制限食』は、糖尿病のみならず合併症の心筋梗塞、脳梗塞の予防や、肥満、メタボ、アレルギー疾患など様々な疾患の改善にも有効であることが多くの臨床データから証明されました。時代は、カロリー制限食から糖質制限食へ、移り変わろうとしています。

糖質制限食の3パターン

  1. スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
  2. スタンダード糖質制限食は夕が主食抜き。朝か昼のどちらかを主食摂取。
  3. プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
  4. 
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。

特定非営利法人(NPO法人)糖質制限食ネット・リボーン公式サイト

私自身はダイエットには全く興味がないし必要もないので,糖尿病やガン,その他の疾病にどのような理由で糖質制限食が有効であるとされるのかに関心がある.本書を読んで,なるほどと思ったのは,例えば糖尿病の問題が血糖値が高くなることなのであれば,食後血糖値を上昇させる糖質を控えればいいでしょうという至極単純な発想だ.

本書では,糖質制限食の効果と実践方法について,著者の江部康二氏が理事長を務める高雄病院(京都市右京区)での臨床実績も踏まえて平易に説明されている.要約すると,次のようになるだろう.

人間が米や小麦など炭水化物を主食として食べるようになったのは農耕が定着して以降の最近のことであり,人類の長い歴史においては,むしろ脂質やタンパク質を主とする食事をとっていた期間が圧倒的に長い.このため,炭水化物が主でないといけないということはない.さらに,脂質は健康に悪いと信じられてきたが,最近の研究報告からは,脂質の摂取がハイリスクであるという証拠は得られていない.それどころか,脂質はむしろ積極的に摂取しても問題なく,逆に,糖質が発ガンリスクを高めるなど問題があると考えられる.このような観点から,糖質制限食は,糖尿病患者にはもちろん,様々な疾病予防に役立つ可能性があり,実際,糖質制限食によって糖尿病の病状が良くなったり,ダイエットがうまくいったりしている人は多い.

しかしながら,この糖質制限食の考え方は,糖尿病にはカロリー制限という観念を含め,これまでの医学的常識に反するようで,医学界に素直に受け入れられているわけではないらしい.このため,素人の私に是非が判断できるはずもない.

ただ,なんでもかんでも飲食はダメと言われるカロリー制限に比べると,糖質制限は糖質だけを問題にするので,焼酎など蒸留酒は普通に飲んで構わないし,肉や魚も食べ放題なのだそうだ.これは実に魅力的な話ではありそうだ.

本書で紹介されている糖質制限食について色々と書いてきたが,本書「主食をやめると健康になる」を読み始めて私がふと気になったのは,「みんなが主食をやめて肉や魚ばかりを食べるようになったら,あっという間に資源が枯渇して人類は終わるな」ということだ.なんと驚くべきことに,江部康二氏はそこにも言及している.

症状の改善だけなら,人類皆糖質制限食でよいと思いますが,地球の人口70億人を養うために穀物は必要です.このことをふまえて食い分けが必要だと考えています.

糖質制限食の是非はともかく,こういうところまで発想が及んでいるという点が気に入った.

目次

  • 主食をやめると、なぜ健康になるのか
  • 糖質制限食、それは人類の健康食
  • 糖質制限食でさまざまな病気・症状が改善する
  • 糖質制限食でガンをどこまで防げるか
  • 糖質制限食でおいしく食べて健康になる
  • 【Q&A】糖質制限食の疑問と不安をスッキリ解消!
  • 【体験談】1400の症例でわかった驚きの改善効果!
  • 献立づくりの工夫と春夏秋冬の特選メニュー
  • 食べてよい食品と避けるべき食品リスト
11月 202012
 

天地にかなう人間の生き方―経世の書「呂氏春秋」を読む
安岡正篤,致知出版社,1997

秦の始皇帝の宰相であった呂不韋が数千人の食客を動員して作らせた「呂覧」と呼ばれる古典がある.「呂氏春秋」とも呼ばれている.秦代までの思想の集大成(百科事典)とされているが,最初から最後まで全部を読むのは大変そうなので,その解説書を読んでみることにした.選んだのが,安岡正篤氏による「天地にかなう人間の生き方―経世の書「呂氏春秋」を読む」.本書は,安岡正篤氏による5回の講座をまとめたものである.

気になった部分をメモしておく.

第1講 私欲を去り,公に尽くす

まず,人が公であるということについて.

「管仲(かんちゅう)病有り.桓公(かんこう)往きて之に問いて曰く,仲父(ちゅうほ)の病,漬(や)むこと甚だし.国人不諱(こくじんふい)ならば寡人(かじん)は誰にか国を属(しょく)せん.管仲敬(つつし)み諾して曰く,公誰をか相とせんと欲する.公曰く,鮑叔牙(ほうしゅくが)可ならんか.管仲対(こた)へて曰く,不可.夷吾(いご),鮑叔牙と善し.鮑叔牙の人と為りは清廉潔直にして,己に若(し)かざる者を視れば人に比せず.一たび人の過(あやまち)を聞けば終身忘れず。已(や)むことなくば隰朋(しゅうほう)其れ可ならんか」

これは,桓公が大病を患った管仲を見舞いに行き,管仲の後を継ぐ宰相を誰にすればよいかと尋ねたところ,「鮑叔牙でよいのではないか」という桓公に対して,管仲が「ダメです」と答えたという逸話.ダメな理由について,著者は以下のように解説している.

鮑叔牙の人と為りは清廉で,潔白率直で,自分に及ばぬような人間は問題にしない.一度他人の過を聞けば終身忘れない.これは「我」が強いということです.

立派なことは立派だけれども,立派な我が強い.我というものは,何も悪い我ばかりではありませぬ.立派であろうがなかろうが,我はやはり我であります.狭い,対立的である.どうかすると排他的になる.そこで個人としては立派であるけれども,あるいは何か特別の仕事には適任であるけれども,天下の宰相には向かぬ.

人の上に立つというのは,なんとも難しいものだ.では,隰朋はどうして宰相に適任なのか.

「隰朋(しゅうほう)の人と為りは上志(じょうし)して下求(かきゅう)し,黄帝(こうてい)に如かざるを醜(はじ)として己に若(し)かざる者を哀れむ.其の国に於けるや聞かざるあるなり.其の物に於けるや知らざるあるなり.其の人に於けるや見ざるあるなり.已(や)むこと勿(な)くんば則ち隰朋可なり」

朋の人と為りは理想を高く持って,しかも実行は下に求める.日常の人間関係に,いかにそれを実践するかということであります.上志して衆を無視することはない.如はしくでおよぶという字であります.黄帝に及ばざるを恥とする.支那では,大自然を人格化した理想の帝王を黄帝と言う.しかも隰朋は己れに及ばざる者を哀れむ.この点は鮑叔牙とまったく反対であります.

そして「其の国に於けるや聞かざるあるなり・・・」,聞いても聞かぬ,見ても見ない,知っても知らないことのできる人だ.大勢の人間を支配してゆくには,これでなくてはいかぬ.つまり,公でなければならぬということです.

人の上に立つには,人々を率いて行くには,個人として立派なだけではなく,公でなければならないとされる.

人が公であるとは,どういうことなのか.この点について,「呂氏春秋」には次のような話が記されている.

「平公又祈黄羊に問うて曰く,国に尉無し.其れ誰か之れ為るべき.対へて曰く,午(ご)・可なり.平公曰く,午は子(きみ)の子(こ)に非ずや.対へて曰く,君可なる者を問ふ.臣の子を問ふに非ざるなり.平公曰く,善しと.又遂に之を用ふ.国人善しと称す」

普に国防長官がいないため,平公(へいこう)が祈黄羊(きこうよう)に誰が適任かと尋ねたところ,祈黄羊は午(ご)が適任だと答えた.午は君の子供ではないかと問う平公に,祈黄羊は「誰が適任かと問われたのであり,私の息子かどうかを問われたのではないでしょう」と答えた.

野田首相が衆議院解散を決めたことで,日本も一気に選挙モードになり,議員の世襲はけしからんなどの意見も出ている.世襲議員反対派からすると,要職に自分の息子を推挙するとは何事かという話になるだろう.しかし,この話の前に,次のような話がある.

「晋の平公,祈黄羊に問うて曰く,南陽に令無し,其れ誰か之れ為るべき.対えて曰く,解狐(かいこ),可なり.平公曰く,解狐は子の讎(あだ)に非ずや.対えて曰く,君可なるものを問ふ.臣の讎を問ふに非ざるなり.平公曰く,善し.遂に之を用ふ.国人善しと称す」

普の南陽に長官がいないため,平公が祈黄羊に誰が適任かと尋ねたところ,祈黄羊は解狐(かいこ)が適任だと答えた.解狐は君の政敵ではないかと問う平公に,祈黄羊は「誰が適任かと問われたのであって,私の政敵かどうかを問われたのではないでしょう」と答えた.

後日談として,この話を聞いた孔子が祈黄羊こそ公の人であると誉めたという.

「孔子之を聞いて曰く,善い哉(かな)祈黄羊の論や.外挙・讎を避けず.内挙・子を避けず.祈黄羊は公と謂ふべし」

世襲議員の是非はさておき,政治家がこのようであればと思うのは欲張り過ぎだろうか.

第2講 まず,わが身を治める

身を治めると聞くと,四書の最初に読むべき,儒学の入門書と位置付けられている「大学」の一節を思い出す.

大学の道は,明徳を明らかにするに在り,民を親しましむるに在り,至善に止まるに在り.物格(至:いた)りて后(のち)知至(きわ)まる.知至まりて后意誠(まこと)なり.意誠にして后心正し.心正しくして后身脩(修:おさ)まる.身脩まりて后家斉(ととの)う.家斉いて后国治まる.国治まりて后天下平らかなり.天子より以て庶人に至るまで,壱に是皆身を脩むるを以て本と為す.(中略)此れを本を知ると謂い,此れを知の至まりと謂うなり.

「呂氏春秋」には次のような話が記されている.

「湯(とう)・伊尹(いいん)に問うて曰く,天下を取らんと欲す.若何(いかん).伊尹対(こた)へて曰く,天下を取らんと欲せば,天下は取るべからず.身将に先づ取られんとすと.凡そ事の本(もと)は必ず先ず身を治む.其の大宝(たいほう:天与の身体)を嗇(おし)み,其の新を用い,其の陳を棄つれば,そう理(そうり:肌のきめ・皮膚の呼吸)遂通(すいつう)し,精気日に新に,邪気尽(ことごと)く去り,其の天年を及(お)ふ.此れを之れ真人(しんじん)と謂ふ.昔者(いにしえ)先聖王其の身を成して天下成り,其の身を治めて天下治まる.—– 天下を為(おさ)むる者は天下に於てせずして身に於てす」

湯王というのは昔の聖王で,周の一つ前の殷の国を開いた人であります.その湯王が名宰相の伊尹に問うて言うには,”天下を取ろうと思うが,どうすればよいであろうか”と.伊尹答えて言う,”天下を取ろう,などというような欲望に走ったならば,決して天下は取れるものではない.そればかりでなく,まず自分が犠牲になるであろう”と.

(中略)

昔の聖王と言われるような人は,まず自分自身をつくり上げてから,天下を得た.自分自身を治めてから,天下が治まった.だから天下を治めようとする者は,天下を取ろうなどと考えたら駄目で,まず天下においてせずして,自分自身を治めなければならぬ.

天下について云々する前に,まず自分の身を治めよということだ.ここでも,政治家の資質について考えさせられるが,そんなことを気にする前に,自分自身が身を治めているかと問う必要がある.政治家は国民の鏡,国会は国の縮図だろう.

この第2講では,人物を見るときの鍵となる八観・六験について紹介されている.

「凡そ人を論ずるには,通ずれば其の礼する所を観る.貴ければ其の進むる所を観る.富めば其の養ふ所を観る.聴けば其の行ふ所を観る.止(いた)れば其の好む所を観る.習へば其の言う所を観る.窮すれば其の受けざる所を観る.賤なれば其の為さざる所を観る.之を喜ばしめて以て其の守を験す.之を楽しましめて以て其の癖を験す.之を怒らしめて以て其の節を験す.之を懼(おそ)れしめて以て其の持を験す.之を哀しましめて以て其の人を験す.之を苦しましめて以て其の志を験す」

これ(八観・六験)を吟味し,適用いたしますと,実に無限の味わいがある.

そして,人を論ずるということは,結局自らを論ずることでありますから,これを自分に適用して,自分はどれくらい及第するか,ということを反省してゆけば,自分をつくる上にも良い試練となる.

(中略)

然るべき人間同志が取組まぬことには,いくら妥協しても駄目です.真理というものは永久に変わらぬもので,こういうものこそ,古くして永遠に新しいと言うべきであります.

この八観・六験で自分自身を省みることを忘れずに行っていきたい.

第3講 学び,教え,厳粛になる

ここでは,学の本質について語られている.

「凡そ学は能く益すに非ざるなり.天性を達するなり.能く天の生ずる所を全くして之を貶(へん)することなき,是を善く学ぶと謂ふ」

これが,東洋本来の学というものに対する基本的な,本質的な考え方です.この場合の益は,ただのえきするという意味ではなくて,付け加える,増すという意味であります.

学というものは,何か付け加えるというような方便的,手段的なものでは決してない.そもそも元来持っておる,生まれつき具えておるものを発達させるためのものである.

天の生ずるところ,親の生んでくれたところを全くして,それをおとさない,いい加減なことにしない,というのが善学,善く学ぶと言うのである.

そういう捉え方があるのかと唸らされる.善学.自分が元々持っているものを発達させ,それを十分に活かしていくことを心掛けたい.

教えるということについて,「呂氏春秋」には次のような記述がある.

「善く教ふる者は徒(と)を見ること己の如く,己に反(かえ)りて以て教ふ.教の情を得るなり.人に加ふる所は必ず己に行ふべし.此(かく)の若くなれば師徒,体を同じくす」

「達師(たっし)の教(おしえ)は弟子(ていし)を安んじ,楽しみ,休み,遊び,粛しみ,厳かならしむ.此の六者を学に得れば,邪辟(じゃへき)の道塞がり理義の術(みち)勝つ」

一教員として,噛み締めたい.

第4講 本質と人物を知る

「呂氏春秋」に記されているのは,なにも理想論ばかりではない.そもそも人間というのは・・・という話もある.

「予譲は国士なり.而も猶(なお)人の己に於けるを以て念となす.又況(いわん)や中人に於てをや」

「予譲は国士なり」.その予譲でさえ,自分に対する待遇というものを考えておった.ましてや,その下の中等の人にとっては,なおさらのことである.人間には地位とか,名誉とか,いうようなことを眼中におかない高度な人と,そいうものを気にする相対的な,条件的な人とがある.普通の人間はどうしても地位や名誉を考える.これが人間の常の心である.

だから,世の中に立って事をなさんとする者は,多くの人間の普遍妥当的な心理・実情をよく知って,徳義の高い特別な人間ばかりを考えておってはいかぬのである.

自分が立派な人物になれれば,それはもちろん結構なことではあるけれども,世の中の普通の人達がどのように思い,感じるのかということを意識しておかないと,何かを為すということは難しい.

第5講 乱れ亡びる国を興す

「呂氏春秋」に,国を滅ぼす君主について記されているところがある.

「亡国の主は必ず自ら驕り,必ず自ら智とし,必ず物を軽んず.自ら驕れば士を簡(おろそ)かにし,自ら智とすれば専独し,物を軽んずれば備無し.備無ければ禍を招き,専独なれば位危く,士を簡かにすれば壅塞(ようそく)す.」

だいたい意味はわかると思うが,自分は賢くて偉いなどと驕り,人や物を疎かにするようではいけないと戒めている.そんなことをしていれば,いずれ行き詰まると.さらに,「呂氏春秋」には,呉の滅亡に関する武候と李克の会話も記されている.

「魏の武候の中山に居るや,李克(りこく)に問うて曰く,呉の滅びし所以は何ぞや.李克対(こた)えて曰く,驟(しばしば)戦って驟勝ちたればなり.武候曰く,驟戦って驟勝つは国家の福なり.其の独り以て亡ぶは何の故ぞ.対えて曰く,驟戦へば民罷(つか)れ,驟勝てば主驕る.驕主を以て罷民を使ひ,然して国亡びざる者は天下に少なし」

連戦連勝は国家の福ではないか,それで何故亡びるのかと問う武候に対して,李克は「しばしば戦えば民が疲れ,しばしば勝てば君主が驕る.驕った君主が疲れた民を使って亡びなかった国はほとんどない」と答えている.

この考え方に従えば,ブラック企業でもブラック研究室でも,ブラック組織に将来はないと言える.しかし,「疲れた民が新しい民に置き換えられる」という状況がありそうだ.つまり,いくら疲弊しようが,社員や学生は毎年置き換えられていくので,それで成果が出ているうちは社長や教授はますます驕ると.李克のような人物がいないのが不幸というわけか.

「至治の世には其の民空言虚辞を好まず.淫学流説を好まず.賢不肖各々其の質に反り,其の情を行ひ,其の素をかざらず.蒙厚純樸にして以て其の上に事ふ」

世の中が本当によく治まっておれば,民衆は内容のない空々しい言葉や,嘘の言葉を好まない.淫りがわしいでたらめな学問や,無責任な流言蜚語のような説を好まない.

東日本大震災以降の状態をつい思い浮かべてしまうが,私は日本が好きだし,日本は素晴らしい国だと思っている.自分の子や孫,さらにその先までも,みんながそう思えるようであってもらいたい.

目次

  • 第1講 私欲を去り,公に尽くす
  • 第2講 まず,わが身を治める
  • 第3講 学び,教え,厳粛になる
  • 第4講 本質と人物を知る
  • 第5講 乱れ亡びる国を興す
11月 112012
 

大平光代の”子育てに効く”論語
大平光代,中央公論新社,2012

タイトルは「論語」となっているが,論語の解説をしているというよりは,大平光代氏の想いが語られている本という印象を受ける.いじめにあって自殺未遂(しかも割腹)をし,暴力団にも関係し,水商売も経験し,それでも,そこから大きく生き方を転換して,弁護士になり,非行に走る子供たちと向き合い,大阪市の助役を務め,そして現在はダウン症の愛娘と一緒に田舎で暮らすという,その波瀾万丈な人生経験を踏まえて語られる言葉には重みがある.

例えば,子育てについて,「論語」学而第一の六を引用して,以下のように書かれている.

「論語」学而第一の六

子曰わく,弟子(ていし),入りては則ち孝,出でては則ち弟,謹みて信あり,汎(ひろ)く衆を愛して仁に親しみ,行いて余力あれば則ち以て文を学ぶ.

先生がいわれた,「若者よ.家庭では孝行,外では悌順,慎んで誠実にしたうえ,だれでも広く愛して仁の人に親しめ.そのようにしてなお余裕があれば,そこで書物を学ぶことだ」

この言葉は,現代にも通じる至言です.

ところが,親たちは孔子の教えの真逆をいってしまいがちです.子どもが幼いときから「勉強さえしていればいい」「学校でいい成績を収めていれば,それでいいんだ」と叱咤激励し続け,勉強以外のことは何もさせない.そうやって育った子どもが,いい学校に入ったものの何かのきっかけで挫折を味わったとき,悲劇が起きます.

(中略)

では,子ども時代にどんな経験をさせればいいのでしょうか? 私が今,五歳の悠にさせているのは「お手伝い」です.

(中略)

料理や掃除,選択といった家事全般は,家族みんなが快適な日常生活を送るための「仕事」です.自分のためなら,「嫌になったからしない」という選択もありますが,家族がいると,今日はやめたというわけにはいきません.それだけに負担は少なくないのですが,家を取り仕切っているお母さんたちは,家族のことを思ってその仕事をこなしています.

そうした家事の一部を手伝わせることで,子どもには「自分は家族の一員である」という帰属意識が芽生えます.同時に「自分以外の人に対する思いやりの大切さ」や「役割を担っているだから,自分勝手はできない」,「ものは大切にしなければならない」など,人間関係や日々の生活で大事なさまざまなことを察知し,身につけていきます.

また,「論語」季子第十六に登場する,三友,三戒,九思を紹介しつつ,親が手本となることの重要性が指摘されている.

子どもは,親の「言う」通りではなく,親が「している」通りになるのです.勉強する子どもになって欲しければ,ビール片手にテレビを見ながら「勉強しろ」と命令するのではなく,親自身が本を読むなどしていれば,言われなくても机に向かうようになります.

「論語」季子第十六の四

孔子曰わく,益者(えきしゃ)三友.直きを友とし,諒(まこと)を友とし,多聞を友とするは,益なり.便辟(べんへき)を友とし,善柔を友とし,便佞(べんねい)を友とするは損なり.

孔子が言われた,「有益な友達が三種,有害な友達が三種.正直な人を友達にし,誠心の人を友達にし,物知りを友達にするのは有益だ.体裁ぶったのを友達にし,うわべだけのへつらい者を友達にし,口達者なのを友達にするのは害だ」

「論語」季子第十六の七

孔子曰わく,君子に三戒あり.少(わか)き時は血気未だ定まらず,これを戒むること色に在り.其の壮なるに及んでは血気方(まさ)に剛なり,これを戒むること闘(とう)に在り.其の老いたるに及んでは血気既に衰う,これを戒むること得に在り.

孔子が言われた,「君子には三つの戒めがある.若いときは血気が未だ落ち着かないから,戒めは女色にある.壮年になると血気が今や盛んだから,戒めは争いにある.老年になると血気はもう衰えるから,戒めは欲にある」

「論語」季子第十六の八

孔子曰わく,君子に三畏(さんい)あり.天命を畏れ,大人を畏れ,聖人の言を畏る.小人は天命を知らずして畏れず,大人に狎(おそ)れ,聖人の言を侮る.

孔子が言われた,「君子には三つの畏れ[はばかり]がある.天命を畏れ,大人を畏れ,聖人の言葉を畏れる.小人は天命を知らないで畏れず[我侭に振る舞い],大人になれなれしくし,聖人の言葉を馬鹿にする」

「論語」季子第十六の十

孔子曰わく,君子に九思あり.視るには明を思い,聴くには聡を思い,色には温を思い,貌(かたち)には恭を思い,言には忠を思い,事には敬を思い,疑わしきには問いを思い,忿(いかり)には難を思い,得るを見ては義を思う.

孔子が言われた,「君子には九つの思うことがある.見るときにははっきり見たいと思い,聞くときには細かく聞き取りたいと思い,顔つきには穏やかでありたいと思い,姿には恭しくありたいと思い,言葉には誠実でありたいと思い,仕事には慎重でありたいと思い,疑わしいことには問うことを思い,怒りにはあとの面倒を思い,利得を前にしたときは道義を思う」

家庭での「普通」の子育ての話だけではなく,弁護士として関わった,様々な問題を抱える子供たちとの交流などからは,子育てのみならず,大人の,社会の在り方についても教えられることが多い.

最後に,テレビのコメントに関して書かれていたことを引用しておこう.

そうした自分の体験も含めて,私は言葉の大切さを痛感してきました.それゆえ,テレビ局からいただくコメンテーター依頼を,申し訳ないと思いつつも,いつもお断りしています.人間の営みは複雑であるにもかかわらず,テレビは単純に図式化してわかりやすく見せていますよね.視聴率を考えれば視聴者受けをよくする必要があるからでしょう.出演するとなると,おそらくその「わかりやすさ」を求める流れに迎合しなくてはいけなくなるはずです.けれども,私がそうすることは自分のためにならないのはもちろん,だれのためにもなりませんし,だれかを傷つけるだけだと思うのです.

たとえば何か事件があったとき,テレビは加害者側を一方的に責めることが少なくありません.裏にどんな事情を抱えているかわからないのに,非難に終始する.それはとても怖いことだと思います.一つの立場,一つの方向から物事を捉えたり考えたりすることしかできないと,幅の狭い人間になってしまう,対処を誤ってしまうことがあると,私は長年言い続けてきました.子どもたちには,そのことを知ってほしいと思っています.

子育て中あるいは子育て予定の人はもちろん,そうでない人も読むといいと思う.

目次

「学び」の章

  • 教えられていないことはできない
  • 学びて時にこれを習う
  • 学問よりも大事なことがある
  • 努力をする大切さ

「愛情」の章

  • 「仁」のある暮らし
  • 信じられる人付き合いとは
  • ともを選ぶ基準
  • 親孝行って何?
  • 慣用を心がける

「自律」の章

  • 間違いを認められますか?
  • 主体性を持つ
  • 日々の生活で守りたいこと
  • 心が伴って「礼」になる

「知恵」の章

  • 争いを繰り返さないために
  • 言葉を慎む
  • 利益には知って見失われたもの
  • ほどほどを心がける
  • 「贅沢」と「貧乏」

「希望」の章

  • うまくいかない日もある
  • 「志」を忘れていませんか?
  • 自分を生かしてくれるもの
  • 理想とする生き方
  • まごころと思いやりを胸に