1月 302013
 

ボルティモアで開催された国際会議IFPACの終了後,ワシントンを経由してピッツバーグへ向かい,1月28日(月)に,The Duquesne University Center for Pharmaceutical Technology(DCPT)を訪問した.訪問メンバーは,製剤機械技術学会PAT委員会に所属している製薬企業の3名と私の計4名だ.皆さん,元々はIFPACのみに参加する予定だったが,折角はるばるボルティモアまで行くのだから,この機会にDCPTも訪問しましょうと半ば強引に誘い,今回の企画が実現した.なお,今回の訪問に際しては,第一三共からDCPTに留学されている方に大変お世話になった.

DCPTも入っている薬学系の建物@The Duquesne University
DCPTも入っている薬学系の建物@The Duquesne University

薬学系の建物4階から見えるスタジアム@The Duquesne University
薬学系の建物4階から見えるスタジアム@The Duquesne University

今回の訪問の目的は,QbD/PAT分野で精力的に活動しているProf. James K. Drennen IIIとProf. Carl A. Andersonの研究室を訪れ,過去10年にわたってFDAを対象としたQbD/PATに関する講習会も実施している彼らと,DCPT,QbD/PAT講習会,FDAのQbD/PATに対する姿勢,日本の状況などについて意見交換すると共に,研究室の設備を見学させてもらうことであった.

2人はDCPTのコアメンバーであるが,Dr. DrennenがResearch and Graduate ProgramsのAssociate Deanを務めるなど学内用務で多忙なため,センターでの実質的な研究の指揮はDr. Andersonが執っている.

スケジュールは以下の通り.

  1. Introduction of JSPMW/DCPT and discussion of PAT in US and Japan
  2. Graduate student presentations (5 students)
  3. Tour of Mylan School of Pharmacy and Graduate School of Pharmaceutical Sciences (Dr. Drennen)
  4. Lunch
  5. Presentation by Dr. Kano: Virtual Sensing technology
  6. Tour of DCPT (Dr. Anderson)

当初の予定では9時開始だったが,夜にみぞれが降り,公共交通機関が全面的に遅れたため,10時開始に変更となった.我々はキャンパスから徒歩圏内のホテルに滞在していたため,何の問題もなく,交通機関の乱れにも気付いていなかったが,郊外の山の方では影響が大きかったようだ.

最初の意見交換では,Dr. DrennenとDr. Andersonから,米国13大学が参加し,FDAが資金を提供しているコンソーシアムNIPTE(The National Institute for Pharmaceutical Technology and Education)等についての情報を得た.

大学院生5名の研究紹介は,研究室内の会議室で,大型液晶モニターを使用して行われた.学生の資料はDropboxで管理されており,ノートパソコンを持ち込むこともなく,会議室に設置されたデスクトップPCとワイヤレスキーボードが使用されていた.

DCPTの学生による研究紹介@The Duquesne University
DCPTの学生による研究紹介@The Duquesne University

研究科の施設はDr. Drennenに案内していただいた.ピッツバーグに米国本社のあるBAYERが資金提供している建物Bayer Hallでは,実験室等が2012年夏に改装されたとのことで,学生がグループ討議を行うための大型液晶モニター等を備えた会議室も複数用意されていた.TAが実験準備をしていた実験室には,複数のiPadが置かれており,実験資料などはiPadで閲覧できるようになっている.Dr. Drennenの執務室も2012年夏に改装されたとのことで,真新しく機能的だった.

Bayer Hall@The Duquesne University
Bayer Hall@The Duquesne University

ブッフェスタイルのランチ@The Duquesne University
ブッフェスタイルのランチ@The Duquesne University

ブッフェスタイルのランチ@The Duquesne University
ブッフェスタイルのランチ@The Duquesne University

ブッフェスタイルの昼食の後には,私が仮想計測技術に関するセミナーを行った.この5年程でアルゴリズム開発と産業応用を進めてきた局所PLS(Locally Weighted Partial Least Squares)と,当研究室の藤原助教が開発した全く新しい入力変数選択手法であるNCSC-VS(Nearest Correlation Spectral Clustering-based Variable Selection)とを,製剤および他産業への応用事例を交えながら紹介した.

DCPTの研究室はDr. Andersonに案内していただいた.NIR,ラマン,音波など多数の分析装置に加えて,混合,打錠,コーティングなどの製剤装置も設置されており,製剤の実験から分析までを研究室内で実施できるようになっている.一部の装置は分散型制御システムDCSを用いて運転できるようになっていた.FDA講習会も,この設備を用いて5日間かけて実施されている.

打錠機の説明をしてくれるDr. Anderson@The Duquesne University
打錠機の説明をしてくれるDr. Anderson@The Duquesne University

分散型制御システムDCSもあるDCPTの実験室@The Duquesne University
分散型制御システムDCSもあるDCPTの実験室@The Duquesne University

米国の現状について(学会参加だけでは到底得られないような)貴重な情報を得ることができ,参加したメンバーにとっては実りの多い訪問となった.

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