7月 252013
 

ゆとり京大生の大学論―教員のホンネ、学生のギモン
安達千李,新井翔太,大久保杏奈,竹内彩帆,萩原広道,柳田真弘(編),ナカニシヤ出版,2013

京都大学でトップダウン的に教養教育改革の方針が打ち出され,国際高等教育院(仮)が設置されることになり,これまで教養教育を担当してきた総合人間学部が解体されるのではないかという危機感の中で,当事者になった学生が編集した本.ノーベル賞を受賞した益川教授のインタビューに始まり,続く第一部は,京都大学大学院人間・環境学研究科の教員を中心に,京都大学以外の教員も含む計13名の大学教員による「教養教育」についての寄稿,第二部は,4名の学生の座談会で構成されている.

問題意識を持ち,教員に話を聞きに行き,総長も含めて原稿執筆を依頼し,議論し,こうして出版という形にまで短時間で持ち込んだ学生の行動は凄いと思う.まったく,たいしたものだ.

益川教授のインタビューは人柄が現れている.学生から英語の必要性について尋ねられて,「まぁ,どうしてもできないとダメかって言われたら,必ずしもそうではない」と答えられているのは,”I can’t speak English.”の益川教授らしい.知らないことは知らないと答えられていることにも凄さを感じる.

第一部は,様々な分野の大学教員が教養や教養教育についてどのように考えているかを知ることができて興味深かった.私が知らない凄い講義や取り組みがあることを,その一端ではあるけれども,知ることができた.

第二部の座談会は,最近の教養教育の実態を学生目線で知ることができて良かった.ただ,議論されている内容そのものにあまり目新しさがあるわけではなく,期待していたほどには面白くはなかった.それでも,最初に書いたように,取り組みそのものは素晴らしいと思う.

目次

  • インタビュー そうだ!益川教授に聞いてみよう
  • 第1部 大学教員のホンネ
  • 第2部 ゆとり京大生のギロン

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