8月 132013
 

子供の夏休みといえば,「ザ・自由研究」ですね.祇園祭か自由研究かというくらいに重大なミッションです.大学教員が夏休みと無縁であるといっても,自由研究を放置するわけにもいきません.もはや,父親の夏休みの仕事として定着しています.少なくとも,我が家では.

我が家の初めての自由研究(長男が小学一年生のとき)は「かぶとむしのけんきゅう」でした.1年以上かけて,成虫→卵→幼虫→蛹→成虫と育てたカブトムシの一生をまとめたもので,素晴らしい出来映えでした.

小学二年生で浮力の実験,小学三年生で風力発電に取り組み,小学四年生の今年は「水質検査」をテーマに選びました.近所の川や池,水道水など身近な水の水質を検査してみようというわけです.毎年,私もアイディアを出しますが,決めるのはもちろん長男です.

実は,一昨年(2011年),淀川管内河川レンジャー(木津川出張所管内)が主催する「親子川の学校」に参加させていただき,そこで水質調査を体験しました.参加者全員でパックテスト(共立理化学研究所)を使ってCOD(Chemical Oxygen Demand)を計測したのですが,それを自分たちでやろうというわけです.CODとは,水中にある物質(主に有機物)が酸化剤によって酸化される時に消費される酸素量のことで,「化学的酸素要求量」と呼ばれ,どれだけ水が汚れているかを表す指標です.水に溶けた過マンガン酸イオンの色を標準色と比較するだけなので,小さな子供でもCODを求めることができます.なお,パックテストには多くの種類があって,COD検査用だけでも,低濃度,標準,高濃度の3種類があります.綺麗な水が検査対象なら低濃度用を使いましょう.今回,我が家で使ったのも低濃度用です.

パックテスト(共立理化学研究所)による水質検査(COD)
パックテスト(共立理化学研究所)による水質検査(COD)

実験初日は,あちこちに親戚と一緒に出掛けて,身近な水を採取して,水質検査をしまくりました.上述の通り,検査したのはCOD [mg/l](化学的酸素消費量)です.CODが1mg/l以下だと綺麗な水,3以下だと少し汚れている水と判断しますが,サケやアユが住めるレベルです.5以下がコイやフナが住むレベルなのだそうですが,ここまでCODが高いと綺麗とは言えません.CODが8を超えるとかなり汚れた水と言えます.

ちなみに,水道水のCODはどの程度でしょうか.水道法では10mg/l以下と定められていますが,「快適基準」として推奨される3mg/lをクリアするようにしている水道事業者が多いとのことです.実際,上賀茂の実家と自宅で水道水を検査したところCOD=3mg/lでした.

京都といえば,市街を南北に縦断する鴨川が有名ですが,予想以上に綺麗でした.丸太町と二条の間で,鴨川の中央あたりの水質を検査したところ,COD=3mg/lでした.少なくとも,有機物量では水道水と差がありません.鴨川の上流に行くと水はさらに綺麗になります.例えば,上賀茂にあるMKボウルを少し北に行った柊野堰堤(ダム)の上側や下側だと,COD=2mg/lでした.ここには川遊びによく行きますが,気持ち良いはずですね.同じく川遊びとBBQで人気の,叡電八瀬駅の近くの川ではCOD=3mg/lでした.

京都御苑(御所)の出水の小川で採水
京都御苑(御所)の出水の小川で採水

実験初日に調べた範囲で最も綺麗だった水はどこの水か,気になりますね.ベストは,京都御苑(御所)の「出水の小川」の一番上流,水が湧き出しているところです.COD=1.5mg/lでした.なお,COD値はすべて2回検査した平均値です.流石,御所ですね.2位はCOD=2.0mg/lで,上賀茂神社の境内を流れる小川の水と,賀茂川(鴨川の上流)の柊野堰堤(ダム)の下側(橋の下あたり)です.

なお,賀茂川にできている水溜まりは汚いです.柊野堰堤(ダム)の上側の水溜まりでCOD=8mg/l,最高値(最も汚い)を記録しました.

柊野堰堤(ダム)の上側の水溜まりで採水
柊野堰堤(ダム)の上側の水溜まりで採水

自然の水以外も調査対象です.意外だったのは,風呂の水で,川遊びから帰ってきた子供5人が入浴した後で,COD=3mg/lでした.水道水と変わりません.一方,鴨川のすぐ西側を流れている「みそそぎ川」はCOD=4mg/lでしたから,見た目は綺麗そうなのですが,そうでもないですね.

ちなみに,近所の紙屋川で採取した水を検査すると,COD=2mg/lでした.汚い川だと思っていたのに,予想に反してとても綺麗です.まあ,有機物しか検査していないので,これだけでは何とも言えませんが...

なお,今回の水質検査については,小学生が色の見た目で判断していますし,しかも,CODが4mg/l以下になると,ピンク系の微妙な違いを識別する必要があるため,正確に検査できているとは言い切れません.その点,ご了承下さい.

水道水と食塩水と砂糖水の水質COD検査
水道水と食塩水と砂糖水の水質COD検査

実験2日目は,近所の川でサンプルを追加すると共に,水道水に調味料を溶解させるなどして,CODの変化を観察してみました.メイン実験は,水道水と食塩水と砂糖水の水質比較です.下記3種類の水を用意しました.

  1. 水道水
  2. 水道水(200ml)に塩(小さじすりきれ1杯)を混ぜた食塩水
  3. 水道水(200ml)に甜菜糖(小さじすりきれ1杯)を混ぜた砂糖水

実験する前に,長男にどうなると思うかを尋ねてみると,食塩水と砂糖水は同じようにCODの値が大きくなるはずだといいます.砂糖水だけが大きな値になると思うよと言っても,「どうして???」と不思議そうにしています.それもそのはずで,まだ,有機物と無機物の違いを知りません.そこで,実際に実験してCODを計測します.

3種類の水で同時に実験してみると,水道水と食塩水は似たような色ですが,砂糖水は全く違う色に変化しました.その大きな違いで,塩と砂糖は何かが違うということは長男も理解したようです.COD計測結果は,水道水COD=3mg/l,食塩水COD=4mg/l,砂糖水COD=7mg/lでした.ただ,砂糖水については,8以上に振り切れていたかもしれません.

自由研究「水質検査」の表紙
自由研究「水質検査」の表紙

さらに実験結果を追加する予定ですが,美山の綺麗な川に遊びに行くのはまだ先なので,検査結果が得られた範囲でまとめていきます.まずは,自由研究の表紙が必要です.長男が写真を選んで,一緒に作成しました.これに,学年・組・氏名を書けばOKです.

今回の水質検査では,京都市内の色々な場所で採水したので,採水地点を地図上に書き込んでいきます.そのための地図も準備しました.用紙上側の地図に番号を記入し,下側に説明を書けば完成です.

自由研究「水質検査」の地図
自由研究「水質検査」の地図

そして,重要なのが,検査結果を記録する用紙です.採水・検査条件に加えて,用紙下側に採水場所の写真を貼り,説明や感想を書き込めるようにしてあります.文字や罫線の色は長男の好みです.

自由研究「水質検査」の記録用紙
自由研究「水質検査」の記録用紙

そんなこんなで,我が家の今年の夏休みの自由研究「水質検査」は完成に大きく近づきました.水質検査は大人も楽しめますし,自由研究の題材として,お勧めです.

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