11月 302013
 

医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法
近藤誠,アスコム,2012

「病院に行く前に、かならず読んでください」で,100万部突破したとのこと.みんな医者や病院が嫌いなんですね.

本書のメッセージはタイトルの通りで,無暗に病院に行くなということ.特に,ガンの検診と治療には注意しろということ.

ここで内容を紹介するつもりはないが,1つ断っておきたいのは,近藤氏の主張に対しては賛否両論あるということ.この本を読んで病院に行かないのは勝手だし,治療を拒否するのも勝手だが,重大な問題だけに異なる意見にも耳を傾けておきたい.例えば,本書「医者に殺されない47の心得」を直接的に攻撃している本としては,長尾和宏氏の「「医療否定本」に殺されないための48の真実」がある.

本書「医者に殺されない47の心得」に腹を立てる医療関係者は多いだろうと想像するが,本書で紹介されている業界の実態なるものを読むと,医療不信になる人が出てくるのも頷ける.例えば,下記のような製薬業界と大学病院との関係.

その結果、製薬業界はホクホクです。1988年の国内の降圧剤の売り上げはおよそ2千億円だったのが、2008年には1兆円を超えています。基準値をササッといじって、薬の売り上げ6倍増。血圧商法、大成功です。また基準値作成委員会の多くが、製薬会社から巨額の寄付金を受け取っているのも問題です。たとえば2005年に作成された、高血圧の基準も含む日本版メタボ診断基準の作成委員会メンバー。その内の国公立大の医師11人全員に、2002~2004年の3年間の間に高血圧などの治療薬メーカーから合計14億円もの寄付金が渡っています。

あるいは,下記のような過剰医療?の話.

冗談のような、本当の話があります。1976年、南米コロンビアで医者が52日間ストをやり、救急医療以外の診療活動がすべてストップしました。その奇妙な副作用として新聞が報じたのは「死亡率が35%も下がった」というニュース。「偶然かもしれないが、事実は事実である」と、国営葬儀協会が、キツネにつままれたような気分が伝わるコメントを発表しています。同じ年に米ロサンゼルスでも医者のストライキがあり、17の主要病院で、手術の件数がふだんより60%も減りました。すると全体の死亡率は18%低下。ストが終わって診療が再開されると、死亡率はスト前の水準に戻りました。イスラエルでも、1973年に医者のストが決行されました。診察する患者の数が1日6万5千人から7千人に激減。するとどうなったか。エルサレム埋葬協会は「死亡率が半減した」と伝えています。人がいかに、行く必要もないのに医者にかかって、命を縮めているかがわかります。

ちなみに,人間ドックにもお世話になっている一研究者としては,異常検出の方法に興味がある.本書には,検査項目が多くなればなるほど,病気・異常と判定される人が増えると指摘されているが,これはその通りで,製造設備における異常検出でも同様の問題がある.この問題をうまく解決したい.

病院のランクが高いほど、メンツにかけて病気を見逃すわけにいかない。すると患者は、どういう目に遭うか。行ったら最後、徹底的に検査されます。 検査項目の多くに「基準値」があり、健常人でも5%が「基準値外」になる設定です。すると10項目検査すると、少なくとも1項目が「基準値外」と診断される人が40%も生じます。30項目検査したら、少なくとも1項目が「基準値外」と診断される人は78%。8割が「病気」「異常」になってしまう。

コーヒーを飲むとガンにならない?それとも死にやすい?」に書いたが,軽率な行動をしないためにも,情報を偏りなく集めるようにしたい.それが情報リテラシーであり,騙されないためには必要なことだろう.

目次

  • 第1章 どんなときに病院に行くべきか
  • 第2章 患者よ、病気と闘うな
  • 第3章 検診・治療の真っ赤なウソ
  • 第4章 100歳まで元気に生きる「食」の心得
  • 第5章 100歳まで元気に生きる「暮らし」の心得
  • 第6章 死が恐くなくなる老い方

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