9月 272015
 

7年振りに,栗拾いに行ってきた.

今回は,予約なしでも大丈夫ということで,大阪府豊能郡能勢町の「水越栗園」へ.1500円で1kgのお土産付きと,価格は標準的で,久し振りの栗拾いを満喫してきた.

“落ちたばかりの毬栗@能勢町”
落ちたばかりの毬栗@能勢町

“毬栗を確認しながら栗拾い@能勢町”
毬栗を確認しながら栗拾い@能勢町

現地に到着するまでは,「本当にこの道でいいのか?」と不安になるような細い道を突き進む.

自然のままの栗園ということなので,午前中早めに行くといい.巨大な栗がコロコロとたくさん転がっている.もちろん毬栗(いがぐり)もあるが,熟した栗ははじけて地面に落ちるので,毬に入っていなくて,はだかで地面に落ちている栗も多い.巨大な栗を探して,ひたすら拾う.拾い続ける.一心不乱に拾う.

“ひたすら栗拾い@能勢町”
ひたすら栗拾い@能勢町

栗園のおばあさんに,はじけている(割れている)栗が実がぱんぱんで美味しいと教えてもらった.あと,大きい栗は必ずしも美味しいわけではなく,中くらいのが美味しいとも.それでも,拾う満足感が得られるので,大きいのしか眼中にないけれど.それから,濃い色に変わった栗は,落ちてからしばらく拾ってもらえなかったものだけど,色艶のいい未熟な栗よりも美味しいらしい.

このおばあさん.「ボケ防止に話してばかりいるんですよ」と言っておられたが,なんと95歳とのこと.とてもそうは見えない.お元気だ.

“枝ではじける毬栗@能勢町”
枝ではじける毬栗@能勢町

なお,木になっている毬栗には手を出してはいけない.これは栗拾いのマナーだ.

1500円で1kg弱のお土産付きだったが,拾ったのを全部,計5袋を持ち帰ってきた.

栗拾いの後は,まだ11時にもなっていなかったが,子供たちがお腹が空いたというので,能勢町のイタリアンカフェ「Leson」へ.ドッグラン併設のカフェで,大小様々の愛犬を連れた人で賑わっていた.テラス席でピザセットやランチセットをいただく.美味しく,雰囲気も良いので,能勢町方面に出掛ける機会があるならお勧めしたい.

“野間の大けやき@能勢町”
野間の大けやき@能勢町

昼食後,折角なので能勢町の自然を見て回ろうということで,まずは「野間の大けやき」へ.日本一というだけあった,とても立派な木だ.幹周りはなんと14mもあり,国指定天然記念物になっている.

けやきの大木の脇には,ありなし珈琲というお店があり,大けやきを眺めながら,のんびりと珈琲をいただける.

“野間の大けやき@能勢町”
野間の大けやき@能勢町

続いて,「長谷の棚田」へ.ここは,日本棚田100選に選ばれているそうで,斜面に美しい棚田が広がる.今でも手入れの行き届いた棚田が守られているが,その苦労は並大抵ではないだろう.

“長谷の棚田@能勢町”
長谷の棚田@能勢町

“長谷の棚田@能勢町”
長谷の棚田@能勢町

朝8時に家を出て,帰宅したのは午後4時頃だった,栗拾いと,能勢町の自然を満喫した一日だった.帰宅後,虫に喰われている栗を判別し,特別に大きな栗を探す.大きいのは,普通サイズの栗の3倍はある.

“拾ってきた約4kgの栗の仕分け”
拾ってきた約4kgの栗の仕分け

早速,茹でた栗をいただいた.美味しい.明日は栗ご飯かな.

9月 252015
 

オーストラリアの大学はイギリスの大学の制度を採用していて,昔は,教授(正教授:Full Professor)の数は極端に少なかったらしい.教授の下の役職として,准教授,シニアレクチャラー,レクチャラーがある.講師は日本の大学にもあるが,位置づけが随分と異なる.最近は,イギリスがそうではなくなったように,オーストラリアでも正教授のポストは増えて,随分となりやすくなったようだ.今でも正教授の数が非常に少ない国としては,シンガポールが挙げられる.あと,役職による階層が厳しい国としては,ドイツも代表的だろう.

かつてマックス・ウェーバーは「私講師や研究所助手が他日正教授や研究所幹部となるためには,ただ僥倖を待つほかはない(中略)これほど偶然によって左右される職歴はほかにないであろう」と言っている.

階層と言えば,今回訪問したのは化学工学専攻だが,私の現在の所属はシステム科学専攻なので,化学工学専攻からシステム科学専攻に移った理由を説明した.日本の大学は厳しい階層社会なので,ボスがいなくならないとプロモーションはないからねと.すると,ある研究者が「ボスを殺さないといけないわけだよ」と補足してくれた.私はそこまでは言ってないのだけれど...実は,奥さんが日本人だったりと,日本通の研究者が結構いた.

ちなみに,私の移籍話をドイツの教授にしたところ,ドイツの大学では,昇進時には必ず別の大学に移らなければならないということを教えてもらった.その教授が「馬鹿げた制度だ」と言っていたが,どのような人事制度がいいかは悩ましい.どこに行っても,良いところもあれば悪いところもあるのだろう.悪いところに我慢ができないなら別の場所に移ればいい.実力がなくて移れないなら,その程度なのだから諦めるしかない.恐ろしいのは,実力がないのにポジションを埋め続けてしまうリスクだ.

オーストラリアの大学には明確な定年がないらしい.辞め時は自分で決めるという制度の国は他にもあるが,オーストラリアでは,以前は,非常に早く大学をリタイアする教授がいたらしい.というのも,教授として働いているときと同額の年金がもらえるからだ.そのような制度が持続可能なわけはないのだが,それを自覚して,オーストラリア政府は年金制度を改革し,今はそれほど多額の年金をもらうことはできないらしい.それで,教授はしっかり働くようになったとのこと.しかも,無茶苦茶に地価や物価が高いシドニーでは,ダブルインカムの家庭が多いそうだ.

オーストラリアの大学教員の給料は大学ごとに異なるものの,その差は大きくないらしい.教授で年収1500万円くらいだと聞いた.日本だと大規模私立大学と同程度の水準だろうか.京都大学教授の平均年収が1100万円程度なので,高いようにも感じるが,オーストラリアの物価が非常に高いため,決して生活は楽ではないと現地の教授は感じているようだ.

今回訪問した教授は新しく家を買ったばかりだが,シドニー郊外の住宅地で戸建てが1億円くらいかららしい.ただし,念のために付け加えておくと,プールと裏庭付きの家だ.ウサギ小屋ではない.彼が住んでいるのはシドニーの南側だが,シティからハーバーブリッジを渡った北側には海を見下ろせる高級住宅街が広がっており,モスマンなどの高級住宅街では戸建てで2億円かららしい.住宅の話で驚いたのが容積率の低さだ.友人が購入した住宅のある地域は容積率の上限が60%.つまり,100平米の土地なら,30平米の2階建てまでしか許されない.このため,必然的に庭が広くなるし,隣家との距離もあくわけだ.

とにかく,スーパーに行っても,レストランに行っても,動物園に行っても,何をするにしても,いちいち物価が高いオーストラリアだが,結局,その原因は,人件費が高いことに尽きるらしい.職種に関係なく最低賃金は時給17AUD(約1500円).だから産業競争力がないという批判もあるようだ.実際,トヨタをはじめ,日本やアメリカの自動車会社はオーストラリアでの現地生産から撤退した.

“UNSW@シドニー”
UNSW@シドニー

UNSWでランチを一緒に食べた中に,大阪大学で博士号を取得した研究者がいて,彼は「日本の大学の運営費交付金が羨ましい」と言っていた.オーストラリアの大学には,そのような基礎的な予算はなく,すべて研究者自身が稼いでこないといけないそうだ.ただ,より正確には,彼が羨んでいるのは,「日本の大学の運営費交付金」ではなく,「日本の旧帝大クラスの運営費交付金」だと思う.

大学院生への奨学金については,特に優秀な学生には政府から年350万円くらいが支給されるらしい.他の優秀な学生も金額は下がるが政府から奨学金が支給される.このため,オーストラリアの大学では,教授が大学院生に奨学金を出さなければならないことはない.なお,奨学金を積み増してもよいし,優秀でない学生に出してもよい.その判断は教授に任されている.まあ,普通,そのようなことはしないわけだが.

アメリカだと,工学系トップクラスの大学で,大学院生に支給されるのは年250万円くらい(支給額は様々)だと思うので,オーストラリアの奨学金は手厚い.ただし,学生全員がもらえるわけではない.日本にも日本学術振興会DCという制度があるので,オーストラリアの制度は日本に近いと言えるのかもしれない.また,オーストラリアは人件費が非常に高いので,ポスドクを雇うのは大変らしい.日本の3倍くらいの経費がかかるのではないだろうか.日本の大学から出る求人票を見ていると,これでもかというほど買い叩いているので...

オーストラリアでは,公立学校の授業料は無料だ.小学校から高校までだけでなく,大学の授業料も無料になっている.ただし,無料になるのはオーストラリア人だけで,留学生は高額の授業料を請求される(少なくとも大学はそうだと聞いた).私立は有料だ.

以上.ランチを食べながら,観光しながら,バンケットで食事をしながら,このような話を聞いたが,雑談レベルなので間違っているかもしれない.それでも,世界には色々な仕組みがあるというのはわかるだろう.日本の大学・大学院だけを見ている必要はない.

9月 252015
 

今回のシドニー滞在前半の目的であるUniversity of New South Wales(UNSW)訪問を終えて,シティのホテルRadisson Blu Plaza Hotelに戻ってきた後,まだ早いがすぐにパブに行くことにした.というのも,UNSWの友人から夜遅くに人気の少ないところを一人で出歩くなと注意されたからだ.

ホテルの近くにもパブはあるが,折角なので,評判の良い人気店に行こうと,徒歩圏内(徒歩20分以内なら完全に圏内)にある良さそうなパブを探して,ロックス(ハーバーブリッジの袂)にあるオーストラリアンホテル(Australian Hotel)を選んだ.

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立ち飲みしている人で一杯のAustralian Hotel@シドニー

途中,人通りの少ない道を通り,シャングリラホテルの前を通り,Australian Hotelへ.金曜日の夜だからか,店の中も外も超満員だ.

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外も超満員のAustralian Hotel@シドニー

どのビールを注文すべきかよくわからないため,店の外にも中にも大きな看板のあるScharer’s Lager(Bavarian Style)というビールをパイントで注文した.この店の看板ビールだと信じて.食事はPepper Kangarooのピザ.ジャーキーを除くと,カンガルーの肉を食べるのは生まれて初めてかもしれない.

ビールを受け取り,番号札を渡された.「中でも外でもいいからテーブルを見付けて座ってね.持って行くから」とお姉さんに言われたものの,空いている席がなく,店内外を彷徨う.

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ビールScharer’s LagerとピザPepper Kangaroo@Australian Hotel,シドニー

ようやく見付けた外の席に座ると,すぐにペッパーカンガルーのピザが運ばれてきた.メニューを見ると,その他には,エミューとカンガルーのハーフ&ハーフや,クロコダイルといったピザがある.実にオーストラリアらしい.カンガルーやエミューやクロコダイルを食べてもシーシェパードは気にしないようだ.海ではないからか.

“Australian
Australian Hotelのピザメニュー@シドニー

カンガルー肉は薄くて固めで,特別に美味しいというわけではないが,十分に美味しい.しっかりと味付けされている.初体験のシドニーのパブで,美味しいピザとビールをいただき,お腹一杯になった.

ピザは美味しかったが,それほど感激しなかったのは,ミラノで散々美味しいピザを食べたからかもしれない.いや,そうに違いない.

“Australian
Australian Hotel@シドニー

このAustralian Hotelのように,シドニーにはホテルと名乗るパブが多い.昔,パブは18時までしか営業できなかったが,ホテルのパブでは宿泊客は何時まででも飲んで良かったそうだ.それで,パブがホテルを名乗り,宿泊客も受け入れるようになったらしい.

9月 252015
 

国際会議で海外に行くとき,3日間の会議に参加するために,飛行機と乗り継ぎに長時間を費やすばかりか,出国後には訪問先で帰国後には自国で時差ボケに何日も悩まされるというのは,極めて効率が悪い.そこで,事情が許せば,国際会議の前か後に,できるだけ現地の大学を訪問するように心掛けている.これは昔からだ.もちろん,効率だけのためではない.研究者ネットワークを作る/強固にするためだ.国際会議などで挨拶するだけでなく,実際に大学を訪問して,セミナーをさせてもらい,研究室を見学し,議論をし,一緒に食事をしたり,観光に連れて行ってもらったりすれば,付き合いの深さは変わってくる.

“綺麗な校舎と中庭@UNSW,シドニー”
綺麗な校舎と中庭@UNSW,シドニー

今回,IEEE MSCという制御系の国際会議に参加するためにシドニーに来ることになっていたので,6月にカナダのウィスラーで開催されたIFAC ADCHEMというプロセス制御系の国際会議に参加したときに,University of New South Wales(UNSW)の教授に訪問する約束をしておいた.会議後は先約があるということで,今回は会議前の金曜日に訪問させてもらった.

“UNSWの看板@シドニー”
UNSWの看板@シドニー

ホテルからタクシーで来るようにと言われていたが,opalという交通カードを入手したので,この機会にバスで大学まで行ってみることにした.バス乗り場がよくわからないので,早めにホテルを出て,オペラハウスやハーバーブリッジを観た後,サーキュラーキーからバスに乗り込む.Google先生によると,30分ほどで目的地に着くようだ.なお,ネット接続はできないので,Google先生情報もその他の情報も含めてすべてをEvernoteに覚えさせておく.

“友人教授が狭いというわりに広々としていて彼我の差を感じるキャンパス@UNSW,シドニー”
友人教授が狭いというわりに広々としていて彼我の差を感じるキャンパス@UNSW,シドニー

今回訪問したのは,Department of Chemical Engineering(化学工学専攻)のプロセス制御グループだ.School of Chemical Sciencesの建物の上層階に研究室がある.アメリカでは化学工学専攻という名称はほとんどなくなり,多くの大学でDepartment of Chemical and Bimolecular Engineeringというような看板を掲げているが,オーストラリアでは化学工学専攻が健在のようだ.ただ,オーストラリアには,プロセス制御を専門にするファカルティはほとんどいない.複数の教授がリタイアしたり海外に移ったりしたためだ.そんな数少ないプロセス制御の専門家を今回は訪ねた.

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School of Chemical Sciencesの建物@UNSW,シドニー

大学到着後,しばらくカフェで雑談をしてから,午前中は”Just-In-Time Modeling for Monitoring, Control, and Optimization”という題目でセミナーを行った.プロセス制御グループの学生やポスドクが中心だが,化学工学専攻のファカルティなど数十名が参加してくれた.その中に某日本企業から留学している方がいて,講演内容を上司に伝えたいという話もあった.こうした新しい繋がりができるのも,セミナーをすることのメリットだろう.相手から招待されるほど名前が売れていなくても,特に若手は押しかけて行って,セミナーの押し売りをするといい.臆して得することは何もない.

“ランチ後の記念撮影@UNSW,シドニー”
ランチ後の記念撮影@UNSW,シドニー

セミナー終了後,私を含めて6名でキャンパス内のレストランで食事をした.注文したのはフィッシュアンドチップスだが,この白身魚は鱈ではない.美味しい.ビールかワインを飲むか?と誘われたが,学生やポスドクとのミーティングを控えているので,遠慮しておいた.

“プロセス制御グループの実験室@UNSW,シドニー”
プロセス制御グループの実験室@UNSW,シドニー

学生やポスドクとのミーティングの後は,研究室見学(ラボツアー)をさせてもらった.理論的な研究を主とするグループだが,分散型制御システム(DCS)に接続された本格的な実験設備もあった.

“立派な学生寮@UNSW,シドニー”
立派な学生寮@UNSW,シドニー

UNSWの学生数は約5万人で,京都大学の2倍以上と大規模な大学だ.そのうち2〜3割は留学生とのこと.広々としたキャンパスには,立派な学生寮もある.しかし,留学生に聞いたところ,寮費はキャンパス周辺のアパート代よりもかなり高いらしい.このため,私が話をした留学生はみんなキャンパス外に住んでいた.しかも,不幸なことに,シドニーは留学生に学割を認めていないため,正規運賃でバス通学をしなければならないと嘆いていた.このような制度は,オーストラリアでもシドニーだけらしい.

“立派な学生寮@UNSW,シドニー”
立派な学生寮@UNSW,シドニー

“立派な学生寮@UNSW,シドニー”
立派な学生寮@UNSW,シドニー

こうして,充実したUNSW訪問を終えて,17時過ぎにキャンパスを出た.もう慣れたからホテルまでバスで帰るよと言ったものの,既にタクシーチケットを手配してあるから使えと言われて,そうさせてもらうことにした.日曜日に一緒に観光に行く約束をして,タクシーに乗り込む.帰り際に,夜遅くに人気の少ないところを一人で出歩くなと注意されたので,ホテルに戻ったらすぐにパブに行くことにしよう.

9月 252015
 

University of New South Wales(UNSW)訪問とIEEE MSC参加のため,シドニーへ.ANAのプラチナデスクに電話をしたところ,シドニー便はないということで,今回は関空からシンガポール経由でシドニーへ向かった.

長旅の末,空港からは乗り合いのシャトルバスを利用して,18時前にRadisson Blu Plaza Hotel Sydneyにチェックインした.ホテルはシティ(Central Business District; CBD)の真ん中にあり,オペラハウスのあるサーキュラーキーやショッピングセンターが集中するタウンホール周辺など,どこへ行くにも便利だ.徒歩でも行けるし,市内無料バス555を使ってもよい.

“Radisson
Radisson Blu Plaza Hotel@シドニー

立地も客室もサービスも文句なし.1泊2万円を軽く超えるだけのことはある.とは言うものの,シドニーのホテル代は無茶苦茶高く,そもそも1万円台のホテルを見付ける方が難しい.1万円以下の宿なんて恐ろしくて泊まれない.それに比べれば,東京の物価は非常に安くてよい.

“Radisson
Radisson Blu Plaza Hotel@シドニー

明日の講演準備もしなければならないので,ホテルに近いウールワースというスーパーマーケットで夕食を買って部屋で食べることにした.閉店時間が近かったため,半額になっていたグリルドベジタブルとパイ,それにスパークリングウォーターとナッツを購入して,ホテルに戻る.ビールを買わなかったのは,スーパーマーケットにはビールがなかったからだ.オーストラリアではお酒を買える店はかなり限定されているようだ.コンビニでもどこでもお酒が買える日本とは随分と異なる.

“Radisson
Radisson Blu Plaza Hotel@シドニー

食事の後,講演スライドに手を入れながら一通り話をしてみたら90分もかかった.これを明日の昼までに流暢に60分で終わらせるようにしなければならない.こうしてシドニー初日が終わった.

9月 142015
 

京都大学時計台

京都大学の財務報告書2015(平成26事業年度)が配布された.詳細に興味がある人には財務報告書を読んでもらうとして,社会,学生,教職員の立場から,京都大学の現状を把握するのに役立つ情報を厳選してメモしておこう.

国民1人あたりの負担額

京都大学に対する国民1人あたりの負担額=780円.

計算式は次の通り.

(業務実施コスト803億円+受託研究・受託事業等49億円+科学研究費補助金等126億円)/人口1億2543万人.

ちなみに,法人化当初の平成16事業年度には,京都大学に対する国民1人あたりの負担額は846円だったので,10年で66円減少している.

学生1人あたりの教育関係経費

学生1人あたりの教育関係経費=260万円.

このうち,学生納付金等(入学料282000円や授業料535800円)は61万円であり,運営費交付金収益等から199万円が支出されている.学生が支払う費用の3倍もの経費をかけて,京都大学は学生を教育しているわけだ.「授業料を払ってるんだから・・・」という学生の主張に説得力はなく,それより3/4を負担してくれている社会に対する自分の責任を自覚した方がいいだろう.

教員1人あたりの研究関係経費

教員1人あたりの研究関係経費=2065万円.

計算式は次の通り.

(経常費用等67640百万円+研究用資産支出額14151百万円)/教員3961人.

ちなみに,この5年間,教員1人あたりの研究関係経費はほぼ一定で大きくは変化していない.

経常収益と経常費用

経常収益と経常費用は1592億円.

収益の内訳: 運営費交付金34%,授業料等9%,付属病院収益21%,受託研究等18%,寄附金3%,補助金等5%,科研費等間接経費2%,その他8%.

支出の内訳: 人件費43%,教育6%,研究15%,診療14%,教育研究支援2%,受託研究費等18%,一般管理費2%,借入金利息等0%.

ざっと以上だ.ここでは京都大学の財務について紹介したが,これが国立大学法人の平均的な姿でないことは指摘しておきたい.

9月 062015
 

今回ミラノで宿泊したホテルWagnerは,地下鉄Wagner駅を出たところにあり,周囲には多くのリストランテやトラットリアやピッツェリアがある.ミラノでの最後の晩餐には,そのようなホテルに近いレストランの中でも評判が良いRistorante Casa Luciaを選んだ.

“色々な生ハムを削ぐ@Ristorante
色々な生ハムを削ぐ@Ristorante Casa Lucia,ミラノ

雰囲気の良いお店で,店内奥の壁はワインで埋め尽くされている.我々は,たくさんの生ハムのすぐ横の席に陣取った.カメラを向けるとポーズを取ってくれるなど,店員さんのノリもいい.

“Ristorante
Ristorante Casa Lucia@ミラノ

“Ristorante
Ristorante Casa Luciaの店内@ミラノ

ここCasa Luciaでも,みんなで料理を取り分けることにして,生ハムの盛り合わせ,サラダ,いくつかのパスタ,ピザ,それにミラノ風カツレツを注文した.生ハムも美味しかったが,スパゲティを含むいくつかのパスタが抜群に美味しかった.

“生ハム盛り合わせ@Ristorante
生ハム盛り合わせ@Ristorante Casa Lucia,ミラノ

“抜群に美味しいパスタ@Ristorante
抜群に美味しいパスタ@Ristorante Casa Lucia,ミラノ

“モチモチのニョッキ@Ristorante
モチモチのニョッキ@Ristorante Casa Lucia,ミラノ

“たっぷり野菜と生ハムのピザ@Ristorante
たっぷり野菜と生ハムのピザ@Ristorante Casa Lucia,ミラノ

“サラダ@Ristorante
サラダ@Ristorante Casa Lucia,ミラノ

ワインはキャンティ・クラシコ.

“赤ワインChianti
赤ワインChianti Classico@Ristorante Casa Lucia,ミラノ

とても雰囲気のよいリストランテで,生ハムやパスタなど料理もとても美味しく,ここもミラノでお勧めしたいレストランだ.

9月 062015
 

イタリアのミラノで開催された国際会議IEEE EMBCに一緒に参加した大学院生が,宿泊したホテルWagnerでホテルマンにお勧めのイタリアンレストランを尋ねてくれた.紹介してもらったリストランテ(Ristorante)がドゥオーモ(Duomo)広場に近いダ・ブルーノ(Da Bruno)というお店だ.

Da Bruno@ミラノ
Ristorante Da Bruno@ミラノ

イタリアの夜は遅い.みんな夕食を食べる時間も遅い.多くのレストランと同様,Ristorante Da Brunoの開店時間も19時で,19時過ぎに店に行くと,まだお客さんがまったくいない.もしかしてハズレの店か!と思うくらいお客さんがいない.

Da Bruno@ミラノ
Ristorante Da Bruno@ミラノ

Da Bruno@ミラノ
Ristorante Da Bruno@ミラノ

Da Bruno@ミラノ
Ristorante Da Bruno@ミラノ

店内には多くの写真や絵が飾られている.多すぎて,落ち着いた雰囲気とは言えないかもしれないが,良い感じのレストランだ.

訪問第1日目には,10人くらいで大挙して押しかけ,私はミラノ風リゾットをいただいた.その日のお勧めだったシーフードパスタが一番人気で,その他にはTボーンステーキやフィレステーキなどもあり,巨大な肉を注文したメンバーも多かった.その翌日,第2日目には6人で再訪し,貝のスープ(スープというより貝そのもの)をはじめ,サラダ,肉,魚介類など様々な料理を取り分けていただいた.どれも抜群に美味しい.しかも,高くない.コストパフォーマンスの良いレストランを教えてもらって感謝することしきりだ.

貝だらけのスープ@Ristorante Da Bruno,ミラノ
貝だらけのスープ@Ristorante Da Bruno,ミラノ

普通サイズのミラノ風カツレツ@Ristorante Da Bruno,ミラノ
普通サイズのミラノ風カツレツ@Ristorante Da Bruno,ミラノ

野菜不足に嬉しい焼き野菜@Ristorante Da Bruno,ミラノ
野菜不足に嬉しい焼き野菜@Ristorante Da Bruno,ミラノ

ミラノ風リゾット@Ristorante Da Bruno,ミラノ
ミラノ風リゾット@Ristorante Da Bruno,ミラノ

ルッコラのサラダ@Ristorante Da Bruno,ミラノ
ルッコラのサラダ@Ristorante Da Bruno,ミラノ

ワインも美味しかった.折角の機会なので,イタリアのスパークリングワインであるスプマンテ,そしてイタリアの赤ワインや白ワインを存分にいただいた.ワインリストにはズラリとイタリアンワインと外国産ワインが並んでいるが,ボトル20ユーロ代のワインが充実している.

美味しい白ワイン@Ristorante Da Bruno,ミラノ
美味しい白ワイン@Ristorante Da Bruno,ミラノ

Josephという白ワインを気に入ったメンバーが多く,何人かはワインの品揃えも凄い高級食料品店PECKでお土産に買い求めていた.赤ワインも20ユーロほどで美味しく飲めるが,訪問第2日目はちょっと気合を入れて,”Vini Riserva Speciale”からBAROLOを注文した.こちらは80ユーロ.

美味しい赤ワイン@Ristorante Da Bruno,ミラノ
美味しい赤ワイン@Ristorante Da Bruno,ミラノ

2日連続で行ったレストランだと言えば,もう十分だろう.ミラノでお勧めのリストランテだ.というか,美味しい店が多くて,ハズレを引く方が難しそうだが.

9月 062015
 

統計学が最強の学問である
西内啓,ダイヤモンド社,2013

Toukeigaku

タイトルから想像できるとおり,主なターゲットは統計学を知らない人や評価していない人である.統計学をわかっている人は,既に統計学の強みを理解して活用しているだろうから,今更このような本を読む必要性を感じないだろう.

「あえて断言しよう.あらゆる学問のなかで統計学が最強の学問であると」という主張に賛成か反対かはともかく,私が本書「統計学が最強の学問である」を読んでみて,その良い点として挙げたいのは,巷に溢れる無意味なデータの収集や解釈の仕方を取り上げて,そんなことをしてもダメだと一蹴している点だ.荒っぽく言えば,誰にでもデータは集められるし,誰にでもデータを解釈することができる.しかし,正しくできるかどうかは別問題だ.そして実際,無意味なことや間違ったことをしている人は少なくない.市販ソフトウェアを利用していても,それが出力してくれる数字の意味が珍聞漢文という人もいるだろう.それで良い結果を残せなくて,データを解析しても役に立たないとか,統計なんて役に立たないとか言われても困ってしまう.というか,迷惑だ.

もちろん,数式なんて見たくもないという人を主な読者に想定しているので,統計学の教科書と違って,本書を読んだからといって統計解析ができるようになるわけではない.それでも,エビデンスに基づいて判断を下すことの重要性は伝わるだろうし,身近な場面でカイ二乗検定が有効であること,ランダム化比較実験が強力な武器であること,それが実施できない場合でも取りうる手段があることなどは理解できるだろう.数式を一切使わずに「へぇ〜,統計学ってこんなことができるのか」と読者に興味を持ってもらうのが本書の役割だと思う.

さて,本書「統計学が最強の学問である」の終章で文献の探し方が紹介されている.その中に次のような記述があった.

英語だったらいくらでも見つかるような研究が日本語の論文ではまったく見つからない,という検索結果を見て日本人研究者の怠慢や勉強不足に憤ってみるのもいいかもしれない

一般向けの本で,このように書くのはミスリーディングだろう.そもそも,日本語論文を書かない日本人研究者は多い.私自身も,共同研究者(企業の技術者など)から日本語で論文を書きたいと言われるか,日本語論文の寄稿を依頼されるかしない限り,論文を日本語で書くことはしない.もちろん研究室の学生も論文は英語で書く.というのも,日本語で書いたところで,広く読まれないし,研究業績としてもあまり評価されないからだ.それでも,エビデンスを探すための方法として,文献データベースの使い方を紹介している本書は親切だと思う.

書く立場からではなく,読む立場から考えると,学術的な論文に限らず,ニュースなどにも英語でアクセスできる方が良い.情報リテラシーとして身に付けておくべきものは色々と挙げられるが,母語も外国語も含む語学力も欠かせないだろう.

雑駁との印象を受けなくもないが,カイ二乗検定,ランダム化,一般化線形モデルなど,著者がその重要性を強調する姿勢は一貫しており,読者のレベルに応じて本書から学ぶものはあるだろう.

目次

 
はじめに
第1章 なぜ統計学が最強の学問なのか?
 01 統計リテラシーのない者がカモられる時代がやってきた
 02 統計学は最善最速の正解を出す
 03 すべての学問は統計学のもとに
 04 ITと統計学の素晴らしき結婚
第2章 サンプリングが情報コストを激減させる
 05 統計家が見たビッグデータ狂想曲
 06 部分が全体に勝る時
 07 1%の精度に数千万円をかけるべきか?
第3章 誤差と因果関係が統計学のキモである
 08 ナイチンゲール的統計の限界
 09 世間にあふれる因果関係を考えない統計解析
 10 「60億円儲かる裏ワザ」のレポート
 11 p値5%以下を目指せ!
 12 そもそも、どんなデータを解析すべきか?
 13 「因果関係の向き」という大問題
第4章 「ランダム化」という最強の武器
 14 ミルクが先か、紅茶が先か
 15 ランダム化比較実験が社会科学を可能にした
 16 「ミシンを2台買ったら1割引き」で売上は上がるのか?
 17 ランダム化の3つの限界
第5章 ランダム化ができなかったらどうするか?
 18 疫学の進歩が証明したタバコのリスク
 19 「平凡への回帰」を分析する回帰分析
 20 天才フィッシャーのもう1つの偉業
 21 統計学の理解が劇的に進む1枚の表
 22 重回帰分析とロジスティック回帰
 23 統計学者が極めた因果の推論
第6章 統計家たちの仁義なき戦い
 24 社会調査法vs疫学・生物統計学
 25 「IQ」を生み出した心理統計学
 26 マーケティングの現場で生まれたデータマイニング
 27 言葉を分析するテキストマイニング
 28 「演繹」の計量経済学と「帰納」の統計学
 29 ベイズ派と頻度論派の確率をめぐる対立
終章 巨人の肩に立つ方法
 30 「最善の答え」を探せ
 31 エビデンスを探してみよう
おわりに