9月 252015
 

国際会議で海外に行くとき,3日間の会議に参加するために,飛行機と乗り継ぎに長時間を費やすばかりか,出国後には訪問先で帰国後には自国で時差ボケに何日も悩まされるというのは,極めて効率が悪い.そこで,事情が許せば,国際会議の前か後に,できるだけ現地の大学を訪問するように心掛けている.これは昔からだ.もちろん,効率だけのためではない.研究者ネットワークを作る/強固にするためだ.国際会議などで挨拶するだけでなく,実際に大学を訪問して,セミナーをさせてもらい,研究室を見学し,議論をし,一緒に食事をしたり,観光に連れて行ってもらったりすれば,付き合いの深さは変わってくる.

“綺麗な校舎と中庭@UNSW,シドニー”
綺麗な校舎と中庭@UNSW,シドニー

今回,IEEE MSCという制御系の国際会議に参加するためにシドニーに来ることになっていたので,6月にカナダのウィスラーで開催されたIFAC ADCHEMというプロセス制御系の国際会議に参加したときに,University of New South Wales(UNSW)の教授に訪問する約束をしておいた.会議後は先約があるということで,今回は会議前の金曜日に訪問させてもらった.

“UNSWの看板@シドニー”
UNSWの看板@シドニー

ホテルからタクシーで来るようにと言われていたが,opalという交通カードを入手したので,この機会にバスで大学まで行ってみることにした.バス乗り場がよくわからないので,早めにホテルを出て,オペラハウスやハーバーブリッジを観た後,サーキュラーキーからバスに乗り込む.Google先生によると,30分ほどで目的地に着くようだ.なお,ネット接続はできないので,Google先生情報もその他の情報も含めてすべてをEvernoteに覚えさせておく.

“友人教授が狭いというわりに広々としていて彼我の差を感じるキャンパス@UNSW,シドニー”
友人教授が狭いというわりに広々としていて彼我の差を感じるキャンパス@UNSW,シドニー

今回訪問したのは,Department of Chemical Engineering(化学工学専攻)のプロセス制御グループだ.School of Chemical Sciencesの建物の上層階に研究室がある.アメリカでは化学工学専攻という名称はほとんどなくなり,多くの大学でDepartment of Chemical and Bimolecular Engineeringというような看板を掲げているが,オーストラリアでは化学工学専攻が健在のようだ.ただ,オーストラリアには,プロセス制御を専門にするファカルティはほとんどいない.複数の教授がリタイアしたり海外に移ったりしたためだ.そんな数少ないプロセス制御の専門家を今回は訪ねた.

“School
School of Chemical Sciencesの建物@UNSW,シドニー

大学到着後,しばらくカフェで雑談をしてから,午前中は”Just-In-Time Modeling for Monitoring, Control, and Optimization”という題目でセミナーを行った.プロセス制御グループの学生やポスドクが中心だが,化学工学専攻のファカルティなど数十名が参加してくれた.その中に某日本企業から留学している方がいて,講演内容を上司に伝えたいという話もあった.こうした新しい繋がりができるのも,セミナーをすることのメリットだろう.相手から招待されるほど名前が売れていなくても,特に若手は押しかけて行って,セミナーの押し売りをするといい.臆して得することは何もない.

“ランチ後の記念撮影@UNSW,シドニー”
ランチ後の記念撮影@UNSW,シドニー

セミナー終了後,私を含めて6名でキャンパス内のレストランで食事をした.注文したのはフィッシュアンドチップスだが,この白身魚は鱈ではない.美味しい.ビールかワインを飲むか?と誘われたが,学生やポスドクとのミーティングを控えているので,遠慮しておいた.

“プロセス制御グループの実験室@UNSW,シドニー”
プロセス制御グループの実験室@UNSW,シドニー

学生やポスドクとのミーティングの後は,研究室見学(ラボツアー)をさせてもらった.理論的な研究を主とするグループだが,分散型制御システム(DCS)に接続された本格的な実験設備もあった.

“立派な学生寮@UNSW,シドニー”
立派な学生寮@UNSW,シドニー

UNSWの学生数は約5万人で,京都大学の2倍以上と大規模な大学だ.そのうち2〜3割は留学生とのこと.広々としたキャンパスには,立派な学生寮もある.しかし,留学生に聞いたところ,寮費はキャンパス周辺のアパート代よりもかなり高いらしい.このため,私が話をした留学生はみんなキャンパス外に住んでいた.しかも,不幸なことに,シドニーは留学生に学割を認めていないため,正規運賃でバス通学をしなければならないと嘆いていた.このような制度は,オーストラリアでもシドニーだけらしい.

“立派な学生寮@UNSW,シドニー”
立派な学生寮@UNSW,シドニー

“立派な学生寮@UNSW,シドニー”
立派な学生寮@UNSW,シドニー

こうして,充実したUNSW訪問を終えて,17時過ぎにキャンパスを出た.もう慣れたからホテルまでバスで帰るよと言ったものの,既にタクシーチケットを手配してあるから使えと言われて,そうさせてもらうことにした.日曜日に一緒に観光に行く約束をして,タクシーに乗り込む.帰り際に,夜遅くに人気の少ないところを一人で出歩くなと注意されたので,ホテルに戻ったらすぐにパブに行くことにしよう.

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