11月 022015
 

決定版 インダストリー4.0 ― 第4次産業革命の全貌
尾木蔵人,東洋経済新報社,2015

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ドイツ発の”Industrie 4.0″と米国というかGE発の”Industrial Internet”が,Cyber Physical System (CPS)やInternet of Things (IoT)やさらにはBig Dataまで巻き込んで,今起こりつつある産業革命として注目されている.

それらの中身については本を読めばわかることで,ここで紹介したりはしないが,それにしても,Industrie 4.0というコンセプトを打ち出し,国家プロジェクトとして世界を巻き込みつつ推進する構想力はたいしたものだ.本書や類書を読むと,「インダストリー4.0って凄いな!」と思わされるわけだが,著者の懸念は,出遅れている日本がこのまま欧米企業に新時代の枠組み作りを全部持って行かれて隷属する羽目になってしまうことだ.これは技術レベルとは別次元の話だ.

ドイツにおけるインダストリー4.0の構想として「国中の工場を連結させる」というのが出てくる.ありとあらゆるバリューチェーンを接続するということで,その先には世界中の工場を連結させるという野望もあるだろう.それは,グーグルの「世界中の情報を整理し,世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」を思い起こさせる.

インダストリー4.0の書籍だけに,「ドイツ凄い!」という立場で書かれているのだが,VWの不正行為が露見した後だけに,「ドイツは,環境に対する意識がとても高い国.たとえば,EUでは自動車の・・・」と書いてあるのを見ると,インダストリー4.0についても多分にセールストークなのだろうと思う.それでも,これからの製造業の在り方を大きく変えていく流れであることは間違いない.

目次

 
はじめに
 
第1章 7つのポイントですぐわかる! 「インダストリー4.0」とは何か?
1. 世界で広がる「インダストリー4.0」の大潮流
2. 第1〜第3の産業革命がインダストリー4.0の下地を作った
3. インダストリー4.0が目指す「スマート工場」とは?
4. IoTと人工知能、インダストリー4.0の関係
5. ビジネスモデルがこう変わる!
6. ロボットにとって代わられる!? ものづくり業界の雇用の行方
7. 未来の工場は地球に優しい
 
第2章 「インダストリー4.0」の衝撃 —ドイツが取り組む「巨大国家プロジェクト」の全容を明らかに!
1. ドイツ発の衝撃! 第4の産業革命=インダストリー4.0
2. 原動力になったのはグーグルやアップル、ITの巨人たちへの危機感
3. 「スマート工場」の第1ラウンドは、もう始まっている
4. ドイツには「ものづくり」に優れた中小企業がいっぱい
5. 政府主導、国を動かすインダストリー4.0プロジェクト
6. 日本が知らないスーパー・イノベーター集団
7. ドイツが考える「スマート工場」とは?
8. 究極のゴール、「国中の工場を連結させよ!」
9. ダイムラーのプライド、「新時代の車は、我々が作る!」
 
第3章 「インダストリー4.0」で暮らしはどう変わるのか? —日本社会に新しい時代到来。私たちの生活はこんなに変わる!
1. 人間の仕事が失われるのか、それとも新しい仕事が生まれるのか?
2. ウェアラブルデバイスで人工知能とつながりっぱなしの生活
3. スマート工場が普及すれば、通勤から解放される?
4. 英語が苦手な日本人のピンチ!?
5. 人工知能はきちんとコントロールできるのか?
6. 生活にかかるお金はインダストリー4.0でどう変わるのか?
7. インダストリー4.0の時代の教育とは?
 
第4章 「インダストリアル・インターネット」の衝撃 —アメリカが取り組む第4次産業革命の第2ラウンド!
1. 新産業革命第2ラウンドがアメリカでスタート!
2. ITを制するという国家戦略
3. AIの巨人・IBMの戦略とは?
4. ものづくりをアメリカに呼び戻せ!
5. グーグル「スマートカー」の衝撃
6. ドイツのトップ企業もインダストリアル・インターネット連合に算入!
7. 製造業の巨人・GEの戦略とは?
 
第5章 アジアの動向 —日本以外のアジア諸国も動いている!
1. のどから手がでるほど新技術が欲しい中国
2. 「ドイツもうで」をする台湾、韓国の企業
3. インドを世界のソフトウェア工場へ
 
第6章 日本の「ものづくり」が進むべき道 —インダストリー4.0で企業も社会も変わる!
1. 日本の参入で新産業革命の第3ラウンドが始まる!
2. 今、スイッチを押さなければ、日本企業だけが取り残される
3. ものづくりとソフトウェアの融合
4. 日本の匠の技をデジタル化する
5. 日本の中小企業が変わる! 地方創生にもビッグチャンス
6. 少子高齢化社会への処方箋、女性の活躍の起爆剤
7. 日本が「ものづくり」のリーダーになるには?
 
おわりに

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