6月 232016
 

研究を始めると,大量に文献を収集するようになる.

なお,「収集する」と書いたが,「読む」とは書いていない.論文のPDFファイルをダウンロードするだけで読みもしていないのに研究した気になってしまう病があるように聞いている.優秀な皆さんには想像できないかもしれないが...

さて,多くの研究者が抱える難問は,「収集した大量の文献をどのように管理するか」だ.読むか読まないかは関係なく.もちろん,パソコンの「文献」フォルダにファイルを全部放り込んでおいて,必要なときに検索で探し出すという方法もある.しかし,この単純な方法には欠点がある.まず,的確に見付けたい文献を見付けられるかという問題がある.著者,論文タイトル,キーワード,アブストラクト(要旨)などの情報を整理して管理することが望ましい.さらに,タグ付けもしたい.また,自分が論文を執筆するときに,いくつかの関連する論文を参考文献とすることになるが,このとき,論文を投稿しようとするジャーナルごとに決められた書式で,参考文献の書誌情報を記載しなければならない.論文のPDFファイルしかない場合,この面倒な作業を手作業ですることになる.

このような問題を解決し,快適な研究者生活を送ることを助けてくれるのが,文献管理専用のソフトウェアだ.研究者のニーズに応えて,様々な文献管理ソフトが開発されている.市販ソフトも多いが,中には優秀な無料ソフトもある.その代表格がMendeley(メンデレー)だ.

Mendeley(メンデレー)は、学術論文の管理とオンラインでの情報共有を目的とした無料の文献管理ツールです。Windows、Mac、Linuxに対応するデスクトップ版と、オンラインでどこからでも利用できるウェブ版を組み合わせて使用します。iOS、Androidに対応するモバイル版もあります。

Mendeleyのクイックレファレンスガイド
Mendeleyのクイックレファレンスガイド

私自身は,随分と昔からMendeleyを使用している.一時期,有料だがユーザの多いEndNoteを使用していたこともあるが,学生も含めて研究室全体で使えるようにしようとすると費用が相当にかかってしまうため,無料で機能も十分なMendeleyに移行した.

様々な文献データベースから文献をImportできるのはもちろん,PDFファイルを指定したフォルダに放り込めば自動的に文献として書誌情報が登録される.デスクトップ版とウェブ版の他に,スマホ版もあり,管理している文献を同期できる.PDFビューアも装備していて,注釈を付けるなどもできる.当然,様々なフォーマットで参考文献リストを出力することもできる.有料版にアップグレードすると,グループを作成して,文献を共有することもできる.

加えて,MendeleyはElsevier(エルゼビア)の傘下なので,ScienceDirectやScopusなどのエルゼビア系データベースと相性が良く,それらの文献データベースを活用して,自分が書いた論文の評価(被引用数やh-indexなど)も教えてくれる.

というわけで,他の無料ソフトのことはよく知らないが,Mendeley(メンデレー)はとてもよくできた文献管理ソフトだ.しかも,無料で使える.おすすめだ.これから文献管理を始めたい人や,文献管理の方法を模索している人,とにかく無料が好きな人は,試してみてはどうだろうか.

試してみようと思う人は,公式サイトからMendeleyをダウンロードして,エルゼビアが提供している紹介ビデオクイックレファレンスガイド,チュートリアルを見てみましょう.

快適な研究者生活を送って下さい.

 Leave a Reply

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>