12月 082016
 

ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実 ― ネットの密かな行動から、私たちの何がわかってしまったのか?
クリスチャン・ラダー(著), 矢羽野薫(訳), ダイヤモンド社, 2016

book

米国の有名な出会い系サイトの創業者で,様々な出会い系サイトやSNSのビッグデータを解析してきた著者が,出会いを求める男女がみずから登録した自分自身についての情報や,出会い系サイトを介しての男女の遣り取りといったビッグデータから読み取れることを紹介するという内容で,とても面白い.

もちろん,女性にも男性にも様々な人がいて,外見も性格も異なるわけだが,出会い系サイトに登録している人の数が非常に多くなると,傾向がハッキリと浮かび上がってくる.恐らく,これまでにも社会学者が様々な分析を試みてきたのだろうけど,無作為抽出によるアンケート調査よりも,出会い系サイトの方が,有効回答者数が圧倒的に多いだろう.こういうデータにアクセスできないと,もはや研究もできないような状況ではないだろうか.仮に何かをしたところで,「そんな少ないサンプルではね(苦笑)」とバッサリやられてしまいそうだ.リアルに出会って親しくなることが目的の出会い系サイトでは,虚偽の情報を登録してもメリットがないため,登録者は(誇張はあるにしても)本当のことを書くと著者は指摘している.つまり,アンケート調査に比べると,量が多いだけでなく,質も高いデータが向こうから勝手に集まってきて解析対象になるということだ.

では,出会い系ビッグデータを解析すると何がわかるのか.自分が面白いと思った結果を2つだけ紹介しておく.

1つ目は,5点が最高,1点が最低の5段階で異性を評価した結果だ.このグラフを見ると,男性に比べて女性が厳しい,それも無茶苦茶厳しいことがわかる.

男性からの評価と女性からの評価
男性からの評価と女性からの評価

2つ目は年齢に関するグラフだが,男性が魅力的に感じる女性の年齢がこれだという現実を,女性の皆さんにお伝えしたい.

男性の年齢:魅力的だと思う女性の年齢
男性の年齢:魅力的だと思う女性の年齢

ちなみに,女性が魅力的に感じる男性の年齢は概ね女性の年齢に近いので,男女差が驚くほど大きい.ミスマッチにも程があるというものだ.

目次

イントロダクション ── ビッグデータは、あなた自身を語る

  • 出会いサイトのビッグデータの価値はどこにある?
  • 大きな数字から小さな個人を理解するアプローチ
  • 現実のデータは男女をいかに語るか
  • 本書の構成について
  • 本書のデータは、既存のデータとどこが異なるか
  • ビッグデータの洪水が、世界を変える

PART 1 What Brings Us Together

そして、何が私たちを結びつけるのか?

  • Chapter 1 ビッグデータが語りかける男女の普遍的な傾向
  • Chapter 2 1000人の「まあまあ」よりも、たった1人の○○が欲しい
  • Chapter 3 私たちは、かつてなく文字を書いている
  • Chapter 4 あなたは、人と人をつなげる接着剤になれる
  • Chapter 5 ばかばかしいアイデアを実行してみたら

PART 2 What Pulls Us Apart

何が、2人を分けたのか?

  • Chapter 6 人種 ── けっして語られることのない重要因子
  • Chapter 7 美しい人がトクをする傾向は、加速している
  • Chapter 8 「本当は何を考えているか」がわかる方法
  • Chapter 9 炎上 ── 突然、嵐のような日々が訪れる

PART 3 What Makes Us Who We Are

自分らしさはどこにある?

  • Chapter 10 アジア人にしては背が高い
  • Chapter 11 どんな人と恋に落ちたいですか?
  • Chapter 12 居心地のいい場所はどこですか?
  • Chapter 13 ネットの中のあなたのブランド
  • Chapter 14 ネットの中の足跡を追いかけると何がわかるか

エピローグに代えて

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