3月 052017
 

足と靴の科学
(株)アシックス スポーツ工学研究所(編著),西脇剛史(監修),日刊工業新聞社,2013

足と靴の科学

靴について勉強したいと思い,いくつか購入した本のひとつが本書「足と靴の科学」だ.

靴のサイズについては,男性なら23.0cm〜28.5cm,女性なら21.0cm〜26.0cmで99%以上を占めるらしい.

本書を読んで参考になったことのひとつが「捻挫の対処方法」だ.捻挫したら応急処置であるRICE(ライス)処置が重要で,この処置を行うかどうかで治りの早さが異なるそうだ.ちなみに,RICEは頭文字で,Rest(安静),Ice(冷却),Compression(圧迫),Elevation(挙上)である.詳細は省くが,これらを繰り返すと良いらしい.

この他,靴の選び方や保管方法等も参考になった.

目次

 
第1章 足のサポートギア「靴」
1  靴の歴史
2  靴の構造と名称
3  靴の底部、ソールの材料
4  靴に使われるアッパー材料とその特性―天然皮革・人工皮革・ダブルラッセル―
5  靴ができるまで
 
第2章 身体の中における足の役割と動き
6  足の骨格構造─親指で地面を押して、ほかの指で地面をつかむ─
7  日本人の足の特徴─各国の足形の比較─
8  歩行時の足の動き
9  走るときの足の動き
 
第3章 靴に必要な8つの機能
10  靴の機能
11  衝撃緩衝性─接地開始時の地面反力の緩和─
12  安定性─接地中の足部、脚部関節の過度な動きを抑制─
13  通気性─シューズ内の温湿度を制御─
14  フィット性─はき心地の向上─
15  軽量性─シューズの重量軽減─
16  耐久性―シューズの使用可能期間の増大―
17  グリップ性―路面環境を問わず、スリップによるケガを抑制―
18  屈曲性―蹴り出し時(かかと上昇時)の足沿いの良さ―
 
第4章 用途・目的別靴の機能設計の例
19  靴に必要とされる機能―用途・目的に応じて最適な設計がされている―
20  走るための靴―マラソンシューズ、レーシングシューズ、ランニングシューズ―
21  歩くための靴(ウォーキングシューズ)―低速歩行、高速歩行、姿勢改善など―
22  でこぼこした道や坂などでの使用が想定される靴―トレイル系シューズ―
23  屋外の路面環境での使用が想定されるスポーツシューズ―フィールド系シューズ―
24  屋内での使用が想定されるスポーツシューズ―コート系シューズ―
25  ボートレース用シューズ、レスリングシューズ、防寒作業靴―その他のシューズ―
 
第5章 足と靴にまつわるトラブル
26  靴と足が合わないときの皮膚摩擦による出血、マメ―靴ずれ―
27  靴が路面をすべり、踏ん張りがきかない―すべり―
28  関節で起こるケガ―足首の捻挫―
29  ふくらはぎの内側の下部に生じる痛み―シンスプリント―
30  そのほかの障害―水虫、タコ、魚の目、外反母趾など―
 
第6章 靴の選び方とお手入れの方法
31  足の測り方―靴選びはまず自分の足を知ることから―
32  フィッティングチェック―履き心地のチェック―
33  オーダーシューズやカスタムオーダーインソールの効果
34  靴の保管の仕方
35  普段のお手入れや洗濯の方法
 
Column
フィット性向上のために着用時の変形の状態を測定する装置―光学式3次元ひずみ分布計測システム―
身体の各所の動きから動作の分析をする装置―モーションキャプチャーシステム―
運動中に地面を蹴る力を測定する装置―フォースプレート―
運動中の動作を細かく観察するための装置―ハイスピードカメラ―
シューズのクッション性の経過を観察する試験―圧縮永久歪試験機―

3月 052017
 

「骨ストレッチ」ランニング 心地よく速く走る骨の使い方
松村卓,講談社,2014

骨ストレッチランニング

私はロードバイク派なのでランニングはほとんどしないが,「骨ストレッチ」を体験する機会があり,講習会にも参加してみて,身体の動きがよくなるのを実感したことで興味がわき,骨ストレッチ関連の本を読んでみることにした.本書である必要はなかったが,最初に図書館から借りることができたのが本書「「骨ストレッチ」ランニング 心地よく速く走る骨の使い方」だった.

骨ストレッチは著者である松村卓氏が2007年に考案したもので,今では日本各地で様々な講習会が開催されている.骨ストレッチという名称は奇妙に聞こえるが,筋肉ではなく骨を意識し,その使い方に重点をおくストレッチ方法だと考えればいいだろう.筋肉主義者には受け入れがたいかもしれないが,「チーターにボコボコの腹筋はない」という例えを使い,腹筋をはじめ筋力レーニングに励むことで,むしろ身体をうまく動かすことができなくなっているのではないかと疑問を投げかける.これは,全日本実業団6位など短距離走選手として猛烈なトレーニングに励み,徹底的に筋肉武装したものの,怪我に悩まされ続けた著者の実体験から湧き出た問いだ.そして,行き着いた結論が「骨ストレッチ」である.

まえがきには次のように書かれてある.

私が本書を通じて皆さんに考えてほしいのは,苦しく辛いトレーニングに打ち込まなくては満足のいく結果は得られないのか,という点です.スポーツの世界を取り巻くそうした常識から離れ,「体が心地よいから速く走れる」「楽しいから夢中になれる」という感覚を身に付けたいと思いませんか?

そのためには,これまでのトレーニングの内容をいったん見直し,まったく異なる発想で体の動かし方を学んでいく必要があります.「筋肉」を鍛え,瞬発力を高めるやり方から,「骨」を意識し動かすやり方へと,シフトチェンジしてほしいのです.

本書では,アキレス腱伸ばしをはじめとする従来のストレッチを行った後,身体が動かしやすくなっているか,柔らかくなっているかを自分自身で感じてみることを勧めている.もし身体が重くなったように感じたり,動かしにくくなったように感じたりするなら,そのようなストレッチは間違っている.実際,従来のストレッチは体を固くすることが多いと松村氏は指摘する.さらに,筋トレで動きが鈍くなるようなら無理に続ける必要はなく,筋トレで体幹を固めてしまうと動きが悪くなるとも指摘されている.

動ける体を手に入れるためには,筋肉ではなく骨を意識し,骨を活用する術を知らなければならない.このために有効なのが骨ストレッチだということになる.本書では,いくつもの骨ストレッチ方法が具体的に紹介されている.その基本は「親指と小指で体の節々を押さえて動かす」だけだ.誰でも手軽に取り組める.なお,著者は,骨ストレッチに効果があるかどうかは自分の体に聞くようにと書いている.腕をまわしたり,前屈したりすれば確認できると.

骨ストレッチの基本になるのが,「ダブルT」という立ち方である.足の中指のラインを意識するダブルTの立ち方を覚えると,無駄な力の入らない自然体が体感できる.これがウォーキングやランニングの基本となる.

こういうのは論より体験.誰かがやっていようがいなかろうが,それは自分の身体とはまったく関係ない.やりたくなければやらなくていいし,試したいなら試せばいい.とにかく自分でやってみるしかない.ちなみに私はやってます.

目次

 
まえがき — 「骨」を使えば驚異の走りが実現!
第1章 間違いだらけのランニング法
第2章 「走れる体」を作る骨ストレッチ
第3章 走りが劇的に変わる「立ち方」&「歩き方」
第4章 「腕振り」&「足の運び」総チェック
第5章 「心地よく」「速く」走るコツ
第6章 日本人の走りの可能性
おわりに — 「私はそれを骨で感じる」という英語の意味