3月 052017
 

「骨ストレッチ」ランニング 心地よく速く走る骨の使い方
松村卓,講談社,2014

骨ストレッチランニング

私はロードバイク派なのでランニングはほとんどしないが,「骨ストレッチ」を体験する機会があり,講習会にも参加してみて,身体の動きがよくなるのを実感したことで興味がわき,骨ストレッチ関連の本を読んでみることにした.本書である必要はなかったが,最初に図書館から借りることができたのが本書「「骨ストレッチ」ランニング 心地よく速く走る骨の使い方」だった.

骨ストレッチは著者である松村卓氏が2007年に考案したもので,今では日本各地で様々な講習会が開催されている.骨ストレッチという名称は奇妙に聞こえるが,筋肉ではなく骨を意識し,その使い方に重点をおくストレッチ方法だと考えればいいだろう.筋肉主義者には受け入れがたいかもしれないが,「チーターにボコボコの腹筋はない」という例えを使い,腹筋をはじめ筋力レーニングに励むことで,むしろ身体をうまく動かすことができなくなっているのではないかと疑問を投げかける.これは,全日本実業団6位など短距離走選手として猛烈なトレーニングに励み,徹底的に筋肉武装したものの,怪我に悩まされ続けた著者の実体験から湧き出た問いだ.そして,行き着いた結論が「骨ストレッチ」である.

まえがきには次のように書かれてある.

私が本書を通じて皆さんに考えてほしいのは,苦しく辛いトレーニングに打ち込まなくては満足のいく結果は得られないのか,という点です.スポーツの世界を取り巻くそうした常識から離れ,「体が心地よいから速く走れる」「楽しいから夢中になれる」という感覚を身に付けたいと思いませんか?

そのためには,これまでのトレーニングの内容をいったん見直し,まったく異なる発想で体の動かし方を学んでいく必要があります.「筋肉」を鍛え,瞬発力を高めるやり方から,「骨」を意識し動かすやり方へと,シフトチェンジしてほしいのです.

本書では,アキレス腱伸ばしをはじめとする従来のストレッチを行った後,身体が動かしやすくなっているか,柔らかくなっているかを自分自身で感じてみることを勧めている.もし身体が重くなったように感じたり,動かしにくくなったように感じたりするなら,そのようなストレッチは間違っている.実際,従来のストレッチは体を固くすることが多いと松村氏は指摘する.さらに,筋トレで動きが鈍くなるようなら無理に続ける必要はなく,筋トレで体幹を固めてしまうと動きが悪くなるとも指摘されている.

動ける体を手に入れるためには,筋肉ではなく骨を意識し,骨を活用する術を知らなければならない.このために有効なのが骨ストレッチだということになる.本書では,いくつもの骨ストレッチ方法が具体的に紹介されている.その基本は「親指と小指で体の節々を押さえて動かす」だけだ.誰でも手軽に取り組める.なお,著者は,骨ストレッチに効果があるかどうかは自分の体に聞くようにと書いている.腕をまわしたり,前屈したりすれば確認できると.

骨ストレッチの基本になるのが,「ダブルT」という立ち方である.足の中指のラインを意識するダブルTの立ち方を覚えると,無駄な力の入らない自然体が体感できる.これがウォーキングやランニングの基本となる.

こういうのは論より体験.誰かがやっていようがいなかろうが,それは自分の身体とはまったく関係ない.やりたくなければやらなくていいし,試したいなら試せばいい.とにかく自分でやってみるしかない.ちなみに私はやってます.

目次

 
まえがき — 「骨」を使えば驚異の走りが実現!
第1章 間違いだらけのランニング法
第2章 「走れる体」を作る骨ストレッチ
第3章 走りが劇的に変わる「立ち方」&「歩き方」
第4章 「腕振り」&「足の運び」総チェック
第5章 「心地よく」「速く」走るコツ
第6章 日本人の走りの可能性
おわりに — 「私はそれを骨で感じる」という英語の意味

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