3月 262017
 

啓発録
橋本左内(著),伴五十嗣郎(訳),講談社,1982

啓発録

橋本左内(橋本景岳)が満14歳にして書いた「啓発録」に感服する」の続き.

本書「啓発録」には,「藩校明道館における布令原案」が収録されている.そこに学問についての記述があるので,訳文を引用しておく.

学問とは,人として踏み行うべき正しい筋道を修行することであって,技能に習熟するだけのものでは,決してない.ところが,とかく学問とは技能の修行と心得ている者が多くて,自分は学者になる家柄に生まれたのではないし,またそのつもりもないから,そう深く学問をする必要はないなどと,口ぐせのようにいっている人を見かける.これは結局のところ,学問を技能の修行と心得ることから生ずる間違いである.たとえ,どんなに詩文を上手に作れるようになっても,故事などを博く暗記したとしても,それだけでは一種の芸人となり得たに過ぎない.

近年,「二次方程式を解かなくても生きてこられた」「二次方程式などは社会へ出て何の役にも立たないので,このようなものは追放すべきだ」と発言するような一種の芸人もいるようだが,幕末には既に橋本左内がこのように意見書に記しているわけだ.

目次

 
啓発録
書簡
意見書
漢詩

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