大学教員の実態(給与編)

他人様の生活というのは気になるものらしい.ここでは,生々しい話だが,大学教員の給与について紹介しよう.実は,一般の企業とは異なり,大学教員の給料はガラス張りだ.誰でも,おおよその金額を簡単に知ることができる.それは,公開されている教育職俸給表によって給与が定められているためだ.

例えば,国立大学法人京都大学教職員給与規程というのがある.その第5条に各種俸給表の1つとして,教育職俸給表が定められている.

教育職俸給表(抜粋)

職務の級 1級 2級 3級 4級 5級 6級
号俸 俸給月額 俸給月額 俸給月額 俸給月額 俸給月額 俸給月額
1 162,200 204,600 265,400 317,000 409,100 547,400
2 164,300 206,800 268,500 320,500 411,600 550,600
3 166,300 209,000 271,600 324,000 414,100 553,800
10 183,200 224,600 291,800 348,500 431,500 572,100
20 204,300 250,400 319,100 375,800 455,700 586,700
30 224,400 280,500 344,800 395,800 479,900
40 245,300 307,200 366,800 413,400 502,300
50 263,400 319,800 385,600 429,400 521,700
60 275,400 330,900 401,500 441,000 538,300
70 286,100 341,700 414,600 451,500 547,900
80 296,500 351,900 422,800 460,700 556,900
90 305,400 360,300 428,600 467,400
100 311,800 365,700 433,800 474,000
110 316,200 371,000 439,100
120 320,200 376,100
130 323,700 381,100
140 326,900 386,100
150 330,400

備考 この表は、教授、准教授、講師、助教、助手及び教務職員に適用する。

この俸給表において,職務の級というのが6種類ある.適用される職種が教授,准教授,講師,助教,助手及び教務職員となっているが,級と職種の対応関係は,「級別標準職務表」によって規定されている.

教育職俸給表 級別標準職務表

職務の級 標準的な職務
1級 教務職員の職務
2級 助教又は助手の職務
3級 講師の職務
4級 准教授の職務
5級 教授の職務
6級 総長が別に定める

教育職俸給表について

現在,大学院修了後に大学で教育職に就く場合,助教になるのが普通だ.ということは,2級1号俸の俸給月額から,初任給の最低ラインは月約20万円とわかる.理科系の場合,博士号を取得するまでに大学卒業後5年必要(27歳程になる)だとすれば,この初任給は安い.もちろん,この俸給月額がそのまま給与となるわけではなく,色々と複雑な調整を経て,実際の給与が決まる.だが,目安にはなるだろう.

ここで,号俸というのがあるが,まあ,毎年少しずつ増えていくと思えばいい.

教授に眼を向けてみると,5級の俸給月額は約55万円で終了している.つまり,ここが最大値であり,これ以上,給与は上がらない.ボーナスとかがあると言っても,凄い年収にはならないことが読み取れる.

この他に,役員報酬規程も存在する.文科省のサイトにある「国立大学役員報酬規程の概要(基本給)」という資料を見てみると,京都大学総長の基本給月額は約133万円となっている.東京大学も同額である.

大学教員の給与に関するコメント

まず,残業代はない.裁量労働ということになっているので,残業は存在しない.したがって,少し前の私のように睡眠時間3時間程度(もちろん仕事が理由)の日がしばらく続いても,給与には反映されない.

また,世間では成果主義を導入して組織が崩壊している企業もあるようだが,大学には成果報酬という概念はあまり導入されていない.もちろん,助教から准教授,教授へと進むためには相応の実績が要求されるが,成果の評価が極めて困難であるという事情もあり,基本的に給与は俸給表で決まる.ただし,独立法人化されて以降,変化が見られる.今後,成果主義の導入が進む可能性はあるが,もしそうなると,恐らく,大学教育は崩壊するだろう.というのは,大学での成果と言えば研究業績のことであり,教員評価と言えば研究業績評価を指すからだ.教育を全く評価しないわけではないが,教育の評価は非常に難しいという問題に直面する.

例えば,講義の合間に,研究室で,資料を配付して,ウェブサイトで,このブログで,その他何らかの手段で,ドラッカーやカーネギーや安岡正篤や孔子など卓越した人々の思想を学生に伝えることは,教育として公式に評価されうるだろうか.学生の研究レポートを添削して真っ赤にすることは,教育として公式に評価されうるだろうか.プレゼン用のスライドと原稿を何度も手直しして,発表練習に何度も付き合うことは,教育として公式に評価されうるだろうか.まあ,無理だろう.そのような状況で成果主義に移行すれば,どうなるかは容易に想像がつく.評価対象にならないものから活動は縮小される.ミクロに厳密にそうなるということではなく,マクロにはそういう傾向になるということだが.

なお,京都大学でも成果主義は取り入れられつつある.研究,教育,社会貢献などの項目について当該年度の実績を自己申告するというスタイルだ.その結果が給与に反映されることになっている.

ちなみに,私は自分に自信があるので,成果主義には賛成だ.ただし,成果主義には教育の評価など課題が山積しているのも事実であり,紆余曲折が予想される.まあ,正直なところ,教育の評価方法などのテクニックに物凄く興味があるわけではない.私は教育こそが最大の社会貢献であると信じているし,それに全力を尽くすことに変わりはないので.

給与以外の収入について

もちろん,収入は給与だけとは限らない.書籍等の印税,講演料,特許収入などがありうる.書籍の印税は10%,講演料は0〜数十万円,特許収入は数十%といったところか.これらの収入は,個人によって千差万別だろう.なお,規則としては,兼業による収入が,教職員としての給与収入を超えてはならないそうだ.

最後に一言

大学教員は,給与面では物凄く魅力的な職業とは言えない.断言できる.

しかし,人材育成・教育というのはあらゆる組織の要である.特に大学教育は,それぞれの分野の将来を担う人材を育成することが使命であり,極めて重要である.社会的責任は重く,社会的意義は計り知れない.そういう遣り甲斐のある仕事であることは間違いない.これも断言できる.

年間給与額の実際

ここまで読んできた強者のために,京都大学教員の年間給与額のデータを掲載することにしよう.これが京都大学の教員の税込み年収だ.准教授ごときでは年収1000万円には到達しないことがわかる.1000万円を越えるのは教授のみで,年齢でいうと50歳以上となる.

職位 平均年齢 下側25% [千円] 平均 [千円] 上側25% [千円]
教授 54.5 10,576 11,418 12,021
准教授 45.4 8,569 9,023 9,602
講師 44.1 7,746 8,283 8,873
助教 39.2 6,334 6,814 7,343

25 Responses to “大学教員の実態(給与編)”

Comments (25)
  1. 教授は5級ですよ。助教は2級、教務職員と助手が1級です。
    6級は何か知りません。

  2. 助教さん,ご指摘ありがとうございます.
    教授は5級なんですね.勉強になりました.

  3. ◎国立大学法人京都大学教職員の初任給、昇格、昇給等の基準に関する細則
    http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w0020973001.html#top
    にある「教育職俸給表 級別標準職務表」に、6級が何であるかの定義があります。

    >なお,声を大にして断っておくが,教育職俸給表に基づく給与の算定方法を,私は理解していない.実際,自分がこの俸給表のどこに対応しているのかさえ,よく分かってない.給与明細に俸給支給額という項目があるのだが,そこに記載された額と一致する欄が教育職俸給表にはない.というわけで,あくまで目安だと思って欲しい.

    毎月の給料には、俸給月額(号俸で規定されている)の他に、俸給の特別調整額(大学院手当)、都市手当が含まれます。家族がいれば扶養手当が、お住まいが賃貸であれば住居手当が、交通機関を使っての通勤であれば通勤手当が、単身赴任であれば単身赴任手当が加算されます。これらを加算するだけで、俸給月額の3〜4割増になるはずです。京大には学位論文調査手当なるものもあります。これらはすべて、職員給与規定第4条を読めばわかります。

    >現在,大学院修了後に大学で教育職に就く場合,助教になるのが普通だ.ということは,3級1号俸の俸給月額から,初任給は月約26万円と推測できる.

    これに、都市手当、扶養手当、住居手当などが加算されますから、月26万円という推測は成り立ちません。最近は助教でも大学院を担当しますから、さらに俸給の特別調整額(大学院手当)も加わります。単身で扶養手当がなくても、月に30万円を越すのは確実です。

  4. 詳細な情報,ありがとうございます.一度,ここの内容も書き直さないと...
    それにしても色々と加算されるのですね.それでも,極めて安いとは思いますが...

  5. 常勤者だけ高いのでは。私は29才まで不安定な大学院生の身分でした。

    東京大学理学部物理学科の場合、自分はレポートを添削どころか返却されないことも多かったですが、修士1年の頃から年収4〜24万円でTAには採用されていました。当時の採用通知には「非常勤国家公務員事務職」と記載されていましたが、学位取得後に個人情報を請求すると、なぜか「実験助手」と書かれた書類が来ました。実験科目は担当していないのに。

    私の提出した論文は3年くらい無視されました。学科長の子息などは博士課程在学中から私の20倍の給与の日本学術研究会特別研究員に採用され、海外留学もさせてもらえましたが、私は何度応募しても不採用でした。試験ではなくて推薦状が必須でした。長年フルタイムで働いた両親の年収を合わせた最高時でも、教授ひとりの年収には達しません。私に洋書を多数買う余裕などなく、参考書は図書館の本が頼りでした。

    多額の税金を使って研究されてきた「超対称性粒子」は、30年前から現在に至るまでひとつも発見されていません。しかしこの研究代表者は学士院賞を受賞しました。私は2003年頃から「LHC実験で超対称性粒子など見つからないだろう」と予言しています。この教授の目前で、大学院試問題の不備を指摘したところ、「白痴」と言われて一度退学させられました。当時公務員だったこの教授を指導教官としていた元同級の女子学生は、院試を受けなおすために学部で留年した後、修士1年で自殺しました。学部時代の選択必修や大学院では放射線実験を受講することもありますが、学生なので事故の場合「労災」とならないのでは。

    私の予言は今のところ当たっていますが研究職には就けていません。民間就職してからも、社内の同年齢平均よりも給与は低いため、大卒後の平均年収で言えば半額以下です。科学的に正しい主張をする研究者が学問の自由を保障され、報われる世の中になりますように!

  6. 一度書いたコメントが,送信時のネットワークの調子が悪くて消えてしまいました...

    nisimiyu(西川美幸)さん,ここでの話は常勤教員に限定されています.それ以外は知りませんし,そもそも,自分の境遇すら正確に把握していない恐れがあるため,私に語るべきことはありません.

    大学関連の酷い話は時々聞くことがあります.ただ,いずれも伝聞で,私の周囲では知りません.どこかに,とんでもない人がいても,おかしくはないとは思います.

    幸いにも,私自身はハッピー&ラッキーな研究者生活を満喫しています.もちろん,相応の努力はしているつもりですが.研究者に限らず,正しい人が報われるべきということには同感です.

  7. nisimiyu(西川美幸) さんへ
    この本をお勧めします。
    天才! 成功する人々の法則 [ハードカバー]
    マルコム・グラッドウェル (著), 勝間 和代 (翻訳)

  8. アメリカに行く、ということを視野に入れなければならない時代になったような気がします。民主党政権では、もう国立大学はダメになります。

  9. 経済的観点からは,日本の大学では全くモチベーションが上がらないですしね.むしろ,下がりまくりですから.

    大学への投資という点で,アメリカのみならず,シンガポールや韓国に比べて,日本の状況は情けないですね.日本の大学の凋落は避けがたいと思えます.

    「財政破綻する日本の大学: 脱出ボタンを押せるのは優秀な人材のみ」( http://blog.chase-dream.com/2010/07/31/1047 )にも書きましたが,優秀な研究者が脱出ボタンを押すのもやむを得ないかと思います.誠に残念ですが.

  10. みゆたん、こんなところで愚痴ですか。基研であなたのトークを聞きましたが、レベルには到達していないと感じました。白痴とは思わないが、あなたがアカデミックポジジョンに就けないのは相応の理由があってのことですよ。

    超対称粒子がないと主張しているのはあなただけではありません。一切、超対称粒子について論文を書かない素粒子現象論屋でアカデミックポジジョンに就いた人もごくわずかですがいます。J.Terning はえらい奴だけど、奴はSUSYにひよったからなぁ。J.TerningですらSUSYをやらねば生き残れんのかと驚いたもんだ。

    で、みゆたんの仇である柳田さんはアイデアマンで偉い人だけど、彼は何か1つでもいいからリアルな物理を発見しましたか?現時点ではなにもないですね。グラショウ、ワインバーグ、小林・益川など本当に偉い人たちはリアルな物理を発見しています。
    MSSM は標準模型以下のカスみたいな理論なんだけど、そこをちゃんと理解していない理論屋が多すぎる!

  11. そうそう、今の東大素粒子現象論研究室がどうなっているかご存知?全員柳田氏の息のかかった連中で埋まってるよ。よくもまあそこまでやるわ。

  12. 結構学生に内緒で内職や他大学非常勤等で高校教員より年間数百万円多い人が平均的と言える。よって国はこれらを考慮して給与体系を構築する必要がある。何しろ私立大学にも莫大な税金を使っているのだから。勤務時間の厳守や単位仕事の報酬も考慮すべき時代であり、学生による評価性も必要。さらに研修内容の国民による閲覧もこれから課題となる。大学教官によって日本が不況となってはいけないと国民は気づき始めた今日である。

  13. 助手,助教に着任されて十数年は給料は全くないに等しい.実際には,助手・助教も1人の研究者であり,研究を行って,成果を出さなければならないが,その研究費がない.助手は,研究費がほとんど設定されず,,外部資金を得ることは,もちろん困難であるため,自分の研究費は自分の給料から捻出することが多くなる.しかし,大学に研究職として在籍する以上,他の研究者と同じく成果が問われる.毎日の研究にプラスして,論文執筆数や国際会議,国内学会の出席回数などが問われるわけだが,その出張旅費は設定が無く(もしくは微々たる額),出張にかかる経費すら自分の給料やボーナスから捻出する.特に国際会議は大きな負担で,出席するための登録料だけで,6万~10万円かかる.ホテル滞在費,移動庫通費などを合わせると,数十万円になりボーナスが無くなる計算である.出席しないわけにも行かず,また,最近の傾向として,グローバル化の傾向で,国内の学会に出ても,成績としてカウントされない.国際会議に出席しなければ成果としてカウントしてもらえない.そうなれば,国際会議への出席は避けて通れず,その経費はどこから捻出するのか.当然,研究費などから捻出できないので,自分の給料から捻出するほかない.少なくとも自分は,ボーナスや給与から捻出してきた.給与カットがあるごとに,苦しいのが現実である.初任給で30万円というコメントもあるが,そんなに簡単な話ではすまされない(少なくとも理系では).

  14. maruさんは,条件の良くないところにおられるようですね.
    助教(助手)と言っても,色々な立場があるのでしょう.maruさんの書き込みを見て,全体像を把握もしないで,大学に就職するのはやめようという人がでてきそうですので,私が助手だったころの実例も交えて答えます.

    > 助手,助教に着任されて十数年は給料は全くないに等しい.

    そんなことはありません.掲載した表を見れば,助教の下側25%で年間給与額が633万円であることがわかります.これを「全くない」と言ってはダメでしょう.

    > 助手は,研究費がほとんど設定されず,外部資金を得ることは,もちろん困難であるため,自分の研究費は自分の給料から捻出することが多くなる.

    年齢制限のある若手向けの科研費や研究助成の申請書を書きまくることになるでしょうが,実績がないわけですから,確かに名の知れた研究者に比べれば,資金獲得が困難な面はあるでしょうね.それでも,助教が独立して研究室を持っているわけではないですよね.教授との関係はどうなっているのでしょうか.教授と一緒に研究をしているのであれば,教授の研究資金を利用できるのではないですか.私の場合,非常に荒っぽく言えば,研究費を集めるのは教授の仕事,頭と手を使うのは助手(私)の仕事と思っていました.お金のかからない研究ばかりしていることもありますが,研究費に困ったことはありません.

    > 大学に研究職として在籍する以上,他の研究者と同じく成果が問われる.毎日の研究にプラスして,論文執筆数や国際会議,国内学会の出席回数などが問われるわけだが,その出張旅費は設定が無く(もしくは微々たる額),出張にかかる経費すら自分の給料やボーナスから捻出する.

    成果を要求されるのは当然です.「毎日の研究」が問われるというのは初耳ですし,国内学会は研究成果としては無意味だと思いますが,論文と国際会議は重要ですね.maruさんは研究費がないから大変だと仰っているのでお気の毒ですが,学会参加費や出張旅費は当然,研究費から支出できます.私が助手だったころは,平均して年2回ほど海外の国際会議に参加していましたが,研究費は研究室から出してもらっていました.場所や期間によって費用はまちまちですが,1回20~30万円くらいでしょうか.昨年は6回ほど海外出張がありましたが,自分で集めた研究費でまかなっています.給料から出すのは,一緒に行った学生に食事をおごったり,タクシーに乗ったりする費用でしょうか.参加費と旅費を全部自腹で払えと言われると,さすがに顔が引き攣ります...

    > 給与カットがあるごとに,苦しいのが現実である.初任給で30万円というコメントもあるが,そんなに簡単な話ではすまされない(少なくとも理系では).

    確かに簡単な話ではなさそうです.文系・理系の違いではなく,所属している組織の問題のような気がします.そもそも,若手の育成に情熱のある研究室なら,助教や学生を育てようとするはず.うちの研究室であれば,修士課程の学生はほぼ必ず国際会議に連れて行きます.費用はすべて研究室で出します.学会参加費,旅費,それに日当もです.もちろん教員は,それを実現するための研究費を集めています.

    逆に,maruさんが若手育成に興味のない研究室に在籍されているとして,どうしてそんなところにおられるんですか? 最も不思議なのはこの点です.

  15. 私が知っている某国立大学の準教授は、とっても暇そう。
    趣味に生きていて、平日でも平気で集まりに出てこられる。
    大学が長期休暇にはいるとまるまるお休み。
    額面のお給料は少なくても、他大学に講師で出向いたり、市民講座などで講師を務めたりしてお小遣いに不自由はないようですよ。
    文化系だからでしょうか?
    年度末は研究費を消化するために外国旅行に行ってきます。

    大学の先生ほどおいしい職業はないと常々思っているところです。

  16. hanafubukiさん,コメントありがとうございます.

    文系か理系かという違いではなく,世界を相手に活躍しているか引き籠もっているかの違いだと思います.私の場合,有給休暇はほとんど消費できません(休める暇がありません)し,好きな時期に3日間だけ取得してよいとされている夏休みも,ほぼ毎年,研究室旅行(文系ならゼミ旅行?)に割り当てています.週休2日なんて夢物語で,土曜日もほとんど仕事です.出張は年間100日を超え,国内外を問わず駆け回っています.企業の方々と比べても,仕事の大変さは劣らないと思います.

    講演などでの副収入は個人差が大きいと思いますが,収入を増やす方法であるのは確かです.それに,海外にも行きますが,基本的に国際会議に参加するためであって,朝から晩まで会議場に缶詰です.物見遊山が中心の人もいるのでしょうが,二流以下ですね.

    暇そうな人も,私のような人も,一括りで大学教員です.あるいは,准教授です.大学教員と接触する機会が少ない人には,確かに全貌を捉えるのは難しそうです.ただ,大学教員に対する世間のイメージというのは,「大学教授になる方法」みたいな本や情報に煽られて,酷く偏っている(暇そうな人ばかりだと思っている)ことが多いように思います.ハッキリ言えば,それはありえない,のですけれども.

  17. DreamChaser さんのご指摘は、私の実感にもフィットします。今は学振もありますし、科研費などのファンドも充実しているので、昔に比べればだいぶ若手も楽だと聞いています(私は半分は海外の大学院でしたが、私が大学院生の頃は既にそうなりつつありました)。このため、私や周囲は若い時から研究資金的に困ったことはほとんどありません。共同研究している指導/先輩教員が資金的に余裕があったこともあります。私の周囲だけかもしれませんが、私の分野では、海外の有力大学の共同研究者と比べても、研究資金面では恵まれているかもしれません。

    無論、その分、海外での業績・論文発表はもちろん、書籍や論文の執筆はつねに必須、他に公務、企業との付き合い、学会関係、成果の学外教育・社会発信の仕事等もあるので、そんなに暇ではないです。ただ、文系の場合、本人がやる気がなければこういうのは辞めて暇人になっても、大抵の大学では支障はありません。多くの同僚は、研究や学外の活動で忙しくはしてないですから。一応、いろいろやってれば、大学・社会への貢献になることや、実益があることはありますが、まあ少し格好よく言えば自分自身の矜持、もっと平たく言うと趣味でやってるようなものです。

    DreamChaser さんは理系なんでしょうね。やはり文系とはやや事情が異なるかもしれません。だから、hanafubukiさんの仰ることも分かります。文系だと時間の自由度は高いです。仕事で忙しいというのはありますが、実験や施術に日々追われることはないですから。忙しいと言っても合間を見て趣味に走ることは可能です。無論、繁忙期は無理ですが。

    ちなみに、hanafubukiさんの仰るような方は、私が今まで勤めた大学でも年配者(主に教授)を中心に必ずいました。旧国立大学では、教授と准教授以下では待遇にかなり差があります。なのに、研究、教育、雑務はろくにやらず、雑務は准教授以下の若手中堅に振ってくるわ、給料のみならず研究費にも大きな差があるわという状態でした。今は大分業績評価も勤務環境も厳しくなっていますが、降格・減給人事があるわけでもなし、基本的には同じような状態だと思います。文系は業績評価が甘いので、業績皆無、年功序列で上がっただけの教授が結構いるんです。その結果、どこでも、若手中堅は「学者としても教育者としても終わってるような連中を優遇して、一線でやってる若手中堅が冷や飯食いとは、かなり変だね」という不公平感は結構持ってました。

    ただ、いくつか大学を変わってみて思ったのは、業績のあるいい大学ほどそういう年配者は少なくなっていくということです。ある程度以上の実績のある人がつねに流入してくるので当たり前ですが。そういう大学は、年配者でも「根っから研究や教育が好きなんだろうな」という学者の鏡みたいな方々が少なくありません。だから、いわゆるいい大学に移ることは、待遇は勿論、精神衛生上も十分メリットがあるというのが実感です。

    いずれにせよ、大学の世界は、実力・やる気(年に一切何も研究業績無しというもいる)、待遇(大学に週一半日しか来なくてもOKの場合もある)、収入(数千万、一億円プレーヤーも少なからずいる)、生活(研究に生きるも趣味に生きるもあり)等々、いずれをとっても所属や人によりピンキリです。一括りにこうだとは言えないと思います。

    • Rachel-Wongさんの仰るとおり,人それぞれであり,ピンキリですね.そのため,ここでは最初に,教育職俸給表という個人のバイアスが乗らない情報を示しています.

      私の場合,幸いにも京都大学(工学研究科です)で,かつ当該研究分野では国際的にも一目置かれている研究室に所属してきたため,恵まれた環境にあります.このため,地方の惨状を耳にすることはあっても,あまり実感を伴ったものではありません.研究も教育もできない偉い人が周囲にいたら,暴言を吐いていると思います.ともかく,これまでの実績を見る限り,教授になったら「あがり(双六にたとえて)」という状況は良くなさそうですね.

  18. 言い忘れました。

    非常勤と常勤の差は大きいですが、助教~准教授クラスと教授クラスでは大きな差があります。一気に年収が100万円以上上がるのは、教授昇進時くらいしかなく、他の昇進では多少上がる程度です。4級と5級の標準報酬月額の差ですね。これに比例して、都市手当などの諸手当もボーナスも上がります。給与ではないですが、(研究費がある場合は)研究費も大幅アップです。

    これだけ差がつくのに、多くの大学で教授昇進人事がまず実績本位でないのは解せないところです。せめて最低限の業績ラインをもう少しあげたほうがいいですね。文系にありがちな紀要に何本か書いただけ、学術書でもない一般書籍を上梓しただけで、そろそろ年齢だから昇進なんて人事は、ありえないと思う。

    • 確かに,教育職に関しては,教授という支配階級とそれ以外の被支配階級というのが大学組織の古典的な捉え方ですかね.特に独法化前は人事権が公式に教授会にありましたから.給与もそうですが,あらゆる面で,教授とそれ以外の差は大きいため,ボスには「とにかく教授になれ」と言われたものです.

      私が知る範囲(旧帝大の工学系)では,教授人事は,実績をかなり重視しています.まず専攻内で選考するわけですが,研究業績の期待できない教授を迎え入れたら,専攻としての評価が落ちますから,それは避けます.少なくとも,国際的なジャーナルに一定数以上の論文を発表していないと話になりません.その上で,ジャーナルのインパクトファクターや,各論文の被引用数などが調査されます.応募者が申告しなくても,文献データベースで簡単に調べられますからね.この時点で,篩い落とされる人も多いはずです.

      そういう感覚からすると,(少なくとも私には)文系の世界って理解しがたいのですよね.別世界です.

  19. >年齢でいうと50歳以上

    京大含め、多くの国立大学では、40前半~半ばにかけて教授に昇進するよ。50過ぎに教授というのは、遅いと思う。理系ではポストの制約もあってそういう部局もあるだろうけど、文系は私立との兼ね合いもあるから、あまり安月給のまま放っておくわけにはいかない。

    財政上恵まれてる有名私立だと人材確保もあって、40前後の准教授でも1千万超えは普通、その上40前後には教授にするところも多い。そうなると、研究費の差が国立と私立であまり差がない文系の場合、国立と私立との給料の差が歴然としてくるだけだから、いい人から私立に逃げちゃう恐れがある。こういう事情があるので、実際、地方の旧帝大で教授昇進を早くしているところもある。それでも、地方というハンデもあって、東京の有名私立に移るケースは決して稀ではなくなっている。

    子供がいれば30後半~50くらいまではお金がかかる時期。その時期に、1千万もいかない年収で、大都市圏でやっていくのは結構しんどい。首都圏はなおさら。今の状況のまま授業・雑務負担が増えて、一方で給料が下がっていけば、首都圏国立からも私立転出は増えるんじゃないかね。

    • 地方大学に比べると,旧帝大は教授昇進年齢は少し高めだと思いますが,それでも,京都大学がまとめている分布を見ると,40歳代半ばが多いですね.30歳代での教授昇進は異例だと言われます.逆に,50歳を超えると遅いということになるでしょうね.

      給料に関しては,有名私立大学には到底かないませんね.もちろん,多くの同級生が勤める有名企業にもかなわないわけですが...

      それでも,年収1000万円は低いと言うと,「高いだろ!」と言われることがあります.世間の平均と比べてということなのでしょうが,大学教員のキャリアは世間平均とは全然違うことを忘れていますね.

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